散紅葉人なつかしく重なりて


 4日、街路樹のイチョウの葉が黄葉していて華やかだ。
 晴れて最低気温7℃、最高気温が17℃。空気が乾いている。
 5日、十三夜の月が見事だった。旧暦の大変にめずらしい十三夜という。

 7日は二十四節気のひとつ立冬である。快晴で風もなく。最高気温21℃、最低気温14℃。
 七十二候に、コオロギ鳴き終わり、ハゼノキ紅葉。イチョウ黄葉。
 サツマイモ掘り終わり、ツタ紅葉。
 二十四節気を三等分して七十二に分けたものが、七十二候と呼ばれている。
 五日ごとの季節の変化を表している。
 東京近辺の気候と今の七十二候はよく合っているという。

 「天の川京しもた屋の大銀杏
 中村草田男の俳句で昭和十七年の句である。
 昭和二十二年の句に、 
 「散紅葉人なつかしく重なりて
 中村草田男句集「来し方行方」より引用。

 草田男のこの句集に、ニーチェからの警句が掲げられている。


 われわれは 祈願する者から出て 祝福する者に
 ならなければならない  ―ニイチェ―