「本という物」の魅力

 鈴木成一著『デザイン室』(イースト・プレス)を読む。
 本の装丁家である鈴木成一さんの装丁裏話が興味深く愉しめました。

 本の装丁を今はパソコンで作るようになっているそうですが、パソコンのなかった当時は版下(はんした)という、印刷指定用の台紙に、文字や図を貼り、イラストや写真の大きさや位置を示すガイドラインを書き込んだりして作り、印刷所へ渡していたそうです。
 
 版下からパソコンになり始めたのは、92、93年が変わり目だったようです。
 パソコンの扱える容量も徐々に増え、作成の戦力となっていきました。
 パソコンを使って作るようになっても、最終的には「物」としての存在感や手に取ったときの迫力、ゾクゾクする感じ、物理的な感触が重要なわけです、とまえがきにあります。

 

そういう「本という物」の魅力をめぐって、いかに考え、何に腐心してきたか、具体的にお話していこうと思います。  9ページ

 本の魅力のひとつは、装丁にありといっても過言ではないでしょう。
 本に使われる用紙の話も興味を惹きました。

デザイン室

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