22日は、二十四節気のひとつ小雪であった。
小雪とは、立冬の後と大雪(だいせつ)の間の節気である。
この時期は山茶花(さざんか)の花が咲き、北風が次第に強く吹く頃であるのだが、23日は最高気温20℃、最低気温11℃で晴れる。紅葉が見ごろだ。
「落葉すやしづかに庫裡の甕の水」
「園丁と鶴と暮れゐる落葉かな」
明治四十四年の飯田蛇笏の俳句である。
「山門にかつと日うかぶ紅葉かな」
この句は大正三年の句。
講談社の読書人の雑誌「本」2014年12月号で、原武史の連載「鉄道ひとつばなし」227を読む。
一九四五(昭和二十)年七月二十七日、昭和天皇からの「御祭文」(ごさいもん)を手にした宮中関係者の皇室祭祀を担当する掌典(しようてん)の清水谷公揖(しみずだにきんおき)が、大分県の宇佐神宮、福岡市の香椎宮へ「御祭文」を奏上しに行かねばならなかった理由を推論している。
『昭和天皇実録』昭和二十年七月三十日条に依拠して、時刻表を基にして謎を解く。
六月十日改正の時刻表によって、「当時の東海道本線には急行が一本しかなかった。東京を8時30分に出る急行下関ゆきである。仮にダイヤ通りに走ったとしても、東京から下関までは二十四時間五十分を要した。」 22ページ
原武史著『鉄道ひとつばなし』から引用すると、
《学者が本業を放り出して、「趣味」の本を出すとは何事かという批判は覚悟している。しかし私にとって、鉄道は単なる趣味ではない。それは経済史や経営史の研究対象となるばかりでなく、私の専門である政治思想史にとっても、テキストを読むだけでは見えない重要な手掛かりを与えてくれる。 3ページ 》
原武史さんの「鉄道ひとつばなし」の連載が『思索の源泉としての鉄道』として、講談社現代新書に加わりました。
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