「やりなおし世界文学」闇の奥


 2日、山間部が雪になっている。晴れて、最高気温8℃、最低気温3℃。
 前日から10℃近く温度が下がり、急に真冬になった。西北西の風が強く吹く。
 3日、最低気温2℃、最高気温11℃。ぶるぶる寒い。風は南南西から吹く。
 山茶花(さざんか)が、寒風のなかに咲いていた。

 新潮社のPR雑誌「波」2014年12月号の連載「やりなおし世界文学」(津村記久子)第7回は、コンラッドの『闇の奥』を書評している。
 一部引用してみる。


 さて『闇の奥』はおそらく、そういう底の底体験に取り憑かれたかのような人々のお話である。


 けれども、この何者でもないながら何者でもあるという在り方こそは、人間の本質ではないかと思う。


 人は闇の奥に分け入り、自分がどういう人間かを見つけ出す。


 コンラッドは、コンゴに出向いて価値観が変わってしまったそうなのだが、闇の奥は、意外と近くにあるのではないかという気すらしてくる。この本は、そこへの手引書のようなものなのではないか。 

闇の奥 (岩波文庫 赤 248-1)

闇の奥 (岩波文庫 赤 248-1)