「ニューヨーク近代美術館映画コレクション」からの一本で、監督・脚本・音楽・出演がメルヴィン・ヴァン・ピープルズの映画「スウィート・スウィートバック」(1971年、98分、カラー)を鑑賞。
上映前に学芸員による「スウィート・スウィートバック」について解説があった。
ブラック・スプロイテーション・フィルムの元祖であるという。
出演、サイモン・チャックスター、ヒューバート・スケールズ、黒人コミュニティの人々。
メルヴィン・ヴァン・ピープルズ監督・製作・主演の伝説のブラックスプロイテーション・ムービー。白人の悪徳警官に追われるスウィートバックは、怒り、戦い、走り続ける、どこまでも。2004年に監督がMoMAに提供したオリジナルから復元された。
アメリカがベトナム戦争をしていた時期に製作されたメルヴィン・ヴァン・ピープルズによる映画で、冒頭のシーンからその猥雑さや官能的な映像に度肝を抜かれた。
度肝を抜かれたシーンは他にも多数ある。
白人警官による人種差別的な暴行に怒り、戦い、追われる身になり、追っ手から逃げる主人公スウィートバック。走る、逃げる。
とにかく警察網から走って逃げる逃げる。
捕まるたびに、白人警官の暴行に反撃して逃げる主人公。
最後はメキシコとの国境までを荒野を横切り走り、警察犬の追跡を振り切り走り続けるスウィートバックの魂の叫びが聞こえる映画だった。
黒人にとってアメリカとは何か、映画を観ていて考えさせられた。
映像も音楽も編集技術も素晴らしいものがある。