鴨と山口昌男著『エノケンと菊谷栄』のこと


 4日は二十四節気のひとつ立春だった。立春が過ぎてもまだ寒気は衰えない。
 6日、最高気温9℃、最低気温1℃。風は余りなく穏やかだ。
 川に渡り鳥が群れていた。川の流れに逆らって泳ぐ姿が眺められた。
 鴨の仲間のヒドリガモで、小さな群れが生き生きと元気に餌(えさ)を求め、泳ぎ回っていた。

 カモ科の鳥。全長四八センチくらい。雄は頭部が赤茶色で額が黄白色、胸がぶどう色、背と側面が灰色。雌は全体に褐色。ユーラシア北部で繁殖。日本では冬鳥で、港湾・湖沼でみられ、雄はピューと笛のような声で鳴く。あかがしら。  『大辞泉 

 雑誌「一冊の本」2月号に1月号から連載のはじまった中岡哲郎の「一技術史家が見た戦後七〇年」2が、「海軍兵学校巡洋艦利根、原子爆弾」と題して、1945年4月に海軍兵学校に入学し生徒になった自伝的な文章を書いている。「巡洋艦利根の最後」、「八月六日ヒロシマ」、「巨大なキノコ雲」での中岡さんの見聞記に注目する。
 そういえば、昨年の夏に亡くなられた哲学者の木田元さんも同年の4月に海軍兵学校に入学している。


 「一冊の本」に山口昌男著『エノケンと菊谷栄』が刊行という広告が掲載されていた。
 孤高の文化人類学者、〈幻の遺稿〉遂に刊行
 サブタイトルが、「昭和精神史の匿れた水脈」。
 その広告文は、
 日本の喜劇王エノケンとその座付作者・菊谷栄が、二人三脚で切り拓いた浅草レヴューの世界を、知られざる資料と証言で描いた書き下ろし評伝。文化人類学者の故・山口昌男が、80年代に筆を執ったが、中断したまま完成には到らなかった。本書は、著者の意思を継いで“幻の遺稿”を整理・編集し、刊行するものである。
 80年代に筆を執ったが、中断したまま完成には到らなかったという。
 参照:『エノケンと菊谷栄』http://www.shobunsha.co.jp/?p=3430

エノケンと菊谷栄

エノケンと菊谷栄