椿さき山雲蒼穹に吹き消ゆる

 
 二十四節気のひとつ春分である。快晴で気温が19℃まで上がった。
 南西の風で穏やかだ。街路樹の椿が花盛りであった。樹の周辺に点々と赤い椿の花弁(はなびら)が落ちている。
 

 「椿さき山雲蒼穹に吹き消ゆる
 「父祖の地の苔なめらかに椿落つ
 「新墾の土にうるほふ落椿


 飯田蛇笏の俳句で、昭和十七年(1942年)の句です。 

      花の散った後の椿。