特別対談「皇后たちの祈りと神々」のこと

 講談社の読書人の雑誌「本」4月号を入手した。
 原武史奥泉光の特別対談「皇后たちの祈りと神々」に注目する。

 昨年の「本」2014年12月号で、原武史の連載「鉄道ひとつばなし」227で展開された一九四五(昭和二十)年七月二十七日に昭和天皇からの「御祭文」(ごさいもん)を、皇室祭祀を担当する掌典(しようてん)の清水谷公揖(しみずだにきんおき)が、大分県宇佐神宮、福岡市の香椎宮へ「御祭文」を奏上しに行かねばならなかった理由を、天皇の母の皇太后節子(さだこ)(貞明皇后)の意向ではなかったかと思われるのだ、と述べていて興味深かったのだ。
 
 特別対談で、原武史著『皇后考』を原さんが、なぜ書かねばならないかその理由を語っている。

 《昭和天皇のことを調べていくと、昭和天皇とその母である皇太后節子(さだこ)(貞明皇后大正天皇の后)との微妙な関係が、すごく重要なポイントだと気づきました。これは天皇だけを見ていてもダメだな、と。だから『昭和天皇』を書き終えた段階で、いずれ皇后や皇太后を中心的なテーマにする必要があると、うすうす思っていました。》 「本」4月号、3ページ。
 参照:『皇后考』刊行記念特別対談http://gendai.ismedia.jp/articles/-/42567

皇后考

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