風に乗つて軽くのし行く燕かな

 3日の春雨で満開の桜が散った。
 5日は二十四節気のひとつ清明で、春分から十五日目だ。曇り、気温21℃、最低気温16℃。
 渡り鳥のヒドリガモが川から姿を消した。北へ向かって飛び立ったのだ。
 入れ替わるかのように燕がやって来た。場所をめぐって鳥たちが棲み分けをしているかのようにみえる。

 明治二十七年、夏目漱石の俳句に、


 「烏帽子(えぼし)着て渡る禰宜(ねぎ)あり春の川
 「風に乗つて軽くのし行く燕かな
 「菜の花の中に小川のうねりかな


 夏目漱石の二十代の俳句である。
 明治二十七年、まだ「吾輩は猫である」は書かれてはいない。
 参照:「吾輩は猫であるhttp://www.aozora.gr.jp/cards/000148/files/789_14547.html