春老ひてたんぽゝの花吹けば散る


 道端のタンポポの花の種が、風に吹かれて飛び去ろうとしている。

 「春老ひてたんぽゝの花吹けば散る
 正岡子規の明治二十六年の俳句である。

 もう一句、「蒲公英やボール轉げて通りけり
 この句は、明治三十五年(1902年)の句、「轉げて」は「転げて」である。

 「蒲公英(たんぽぽ)やボール転げて通りけり

キク科タンポポ多年草の総称。野原や道端に生え、根際から羽状に深く裂けた葉を放射状に出す。三、四月ごろ、花茎を伸ばし、頂に黄色または白色の舌状花のみからなる頭状花を開く。種子は上部に白い毛をつけて風に飛ぶ。葉を食用とし、根などを漢方で催乳に用いる。日本ではカントウタンポポカンサイタンポポエゾタンポポシロバナタンポポなどが自生し、セイヨウタンポポ帰化している。蒲公英(ほこうえい)。  『大辞泉