山藤の雲がかりしてさきにけり

 曇り、最高気温24℃、最低気温15℃。空気が乾いている。
 藤棚に垂れ下がった紫色の藤の花が満開になった。
 ツツジも満開で咲き誇っている。

 マメ科の蔓性(つるせい)の落葉低木。山野に自生し、つるは右巻き。葉は卵形の小葉からなる羽状複葉。五月ごろ、紫色の蝶形の花が総状に垂れ下がって咲く。豆果は秋に暗褐色に熟す。園芸品種が多く、棚作りなどにして観賞する。つるから繊維をとり布に織った。野田藤(のだふじ)。  『大辞泉

 「うつうつと大嶽の昼躑躅さく
 「鳥啼きて湖はしろがね春の嶽
 「山藤の雲がかりしてさきにけり

 飯田蛇笏の俳句で、昭和十六年(1941年)の句である。
 藤の蔓(つる)は右巻きであるが、山藤の蔓は逆の左巻きであるという。

        藤の花