高山宏完全新訳『不思議の国のアリス』

 「新刊展望」2015年5月号の「エディターの注目本ガイド」に、亜紀書房の編集者・小原央明さんがルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』の高山宏さんによる今回の翻訳について編集者として述べている。

 《訳文はアリス論の傑作『アリス狩り』(青土社)の著者で、翻訳家としても名高い高山宏さんにお願いしました。『アリス』は、日本ではディズニー映画のイメージが強いですが、その本質は「ファンタジー」ではなくて、言葉遊び・論理遊びによって現れるさかしまの世界、私たちが普段接している意味(センス)の世界を逃れた、非・意味(ノンセンス)の世界での自由な遊びにあります。
 (中略)おそらく、日本語で翻訳された『アリス』の中でこんなに「楽しく笑える」本ははじめてなのではないでしょうか。私はこの本を編集しながら、なんども笑いをこらえました。》  23ページ

 ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』で、1975年が初版の旺文社文庫版がありますが、多田幸蔵さんが翻訳し解説が高山宏さんであります。
 多田幸蔵さんの翻訳と較べて読むのも面白いかもしれません。
 書き下ろし挿絵50点を佐々木マキさんが担当。