映画『間奏曲はパリで』に登場する本

 先日、公開中のマルク・フィトゥシ監督・脚本の映画『間奏曲はパリで』(2014年、フランス、99分、カラー)を観た。原題、La Ritournelle。
 出演は、イザベル・ユペール、ジャン=ピエール・ダルッサン。
 
 ノルマンディーで牛を飼っている畜産農家の夫婦の物語。
 二人は農業高校で知り合い意気投合し結婚して畜産農家として生きて来た。
 一人息子は巣立って日々は平凡だけれど仕事だけの忙しい生活に妻のブリジットは、倦怠感を感じていた。目に見えないストレスからか胸のあたりに湿疹が出る。
 それで、診断と治療目的にブリジットはパリに出かけることにしたのだったが・・・。


 夫役のジャン=ピエール・ダルッサンがいい役者だ。
 コリーヌ・セロー監督『サン・ジャックへの道』(2005年、フランス)で注目した俳優。
 フランスからスペインまでカトリックの聖地を歩いて巡礼する姉兄弟の三人が、母親からの遺産相続のために遺言にしたがって歩いてフランスから国境を越えてスペインのカトリックの聖地を巡礼する。ジャン=ピエール・ダルッサンは三人の姉兄弟のうち兄で、妻と別れて飲んだくれの一文無しの男を演じているのが印象的だった俳優。
 アキ・カウリスマキ監督の『ル・アーヴルの靴みがき』(2011年、フィンランド、フランス、ドイツ)では警視役で出演している。

 映画『間奏曲はパリで』に妻のブリジットが読んでいる本が、イタロ・カルヴィーノの本であった。
 ブリジットの愛読書がイタロ・カルヴィーノである。もちろんフランス語訳のペーパーバック。*1
le chevalier inexistant
 これは、邦訳のタイトルでは『不在の騎士』ですね。

不在の騎士 (河出文庫)

不在の騎士 (河出文庫)