向日葵に鉱山人のきる派手浴衣

 公園の池にシオカラトンボを見つけた。
 トンボは一箇所にとどまり続けている。
 近寄っても逃げる気配がない。

 「ながれ藻にみよし影澄む鵜船かな
 「蚊のこゑや夜ふかくのぞく掛け鏡
 「流水にたれて蟻ゐる草苺
 「向日葵に鑛山人のきる派手浴衣

 飯田蛇笏の俳句で、大正六年(1917年)の句です。
 鵜飼、向日葵(ひまわり)、浴衣(ゆかた)は夏の風物詩ですね。
 鑛山人は新字では、鉱山人。