鉄道ふたつばなし

 今月3日に亡くなられた阿川弘之さんの新刊書が出ている。
 阿川弘之著『座談集 文士の好物』(新潮社)
 阿川弘之著『食味風々録』(中公文庫)

 講談社のPR誌「本」9月号の連載「鉄道ひとつばなし」(原武史)で「六月十三日午後の事」を読む。母の死の知らせから一刻も早く実家に行かなければならない。電車を乗り換えながら向う筆者が駅名標を見るたびに連想した記紀に登場する地名の由来をめぐる考察が読ませる。

 猛暑の頃、原武史著『「鉄学」概論』を読んだ。
 「鉄道紀行文学の巨人たち」に、内田百間阿川弘之宮脇俊三の似ているところ大きな違いがあるところなど論じている。
 「第二章 沿線が生んだ思想」は、永井荷風高見順坂口安吾須賀敦子中井久夫をめぐる鉄道から眺めた日本の近現代史を振り返っている。

座談集 文士の好物

座談集 文士の好物

食味風々録 (中公文庫)

食味風々録 (中公文庫)

「鉄学」概論―車窓から眺める日本近現代史 (新潮文庫)

「鉄学」概論―車窓から眺める日本近現代史 (新潮文庫)