連載「子規の音」、書簡より

 27日、NHKラジオの文化講演会で「1960年代の司馬遼太郎」と題する関川夏央の講演を聴く。
 その語り口と司馬遼太郎の作品を見る目の確かさが印象深かった。

 新潮社の「波」10月号の連載「子規の音」(森まゆみ)第二十一回を読む。


 京都に来た。北白川で読書ざんまいをしようと、子規全集の書簡の巻を携えてきた。  73ページ

 ちょうど書簡の二が明治二十九年から始まっているので、つれづれなるままに虫眼鏡も使って読み始めた。いやあ、面白い。かつて漱石の書簡を読み続けたことがあるが、それにもます面白さである。  73ページ


 そういえば、明治二十九年といえば、漱石正岡子規へ出した手紙に「名月や十三円の家に住む」の句があった。
 森まゆみさんの連載に、それに関連した子規の書簡があるかと探したが、それはなかった。
 ただ、この年、子規は詩集を見ることに熱中していたようだ。
 夏目金之助への手紙に、子規はそのことを書いている。