映画「それでもボクはやってない」

それでもボクはやってない

 9月から10月にかけて開催されている「特集・映画美術監督 部谷京子」からの一本。
周防正行監督の映画『それでもボクはやってない』(2007年、フジテレビジョンアルタミラピクチャーズ東宝、143分、カラー)を鑑賞する。
 出演は、加瀬亮瀬戸朝香役所広司山本耕史もたいまさこ竹中直人鈴木蘭々田口浩正清水美砂


 就職活動中の徹平は、面接に向う途中、満員電車の中で痴漢の疑いをかけられ逮捕される。裁判が始まり、徹平の弁護士や支援者たちは、なんとか徹平の無罪を勝ち取ろうと、法廷で必死に闘うのだが・・・。(特集パンフレット)

 混んでいる満員電車の中で痴漢を疑われ、下車した際に被害者と称する女子中学生に捕まえられ駅員に駅舎へ連れ込まれ、警察署へ運ばれて主人公(加瀬亮)は取り調べられる。
 痴漢をしていない主人公は痴漢行為を否定し、きっぱりと、「していません!」と主張するのだが、警察は「被害者」の女子中学生と目撃者の乗客(田口浩正)らの証言を盾(たて)に、駅舎までは主人公と一緒に来ていてすぐに去って行ったもう一人の女性の目撃者の「この人はしていません」という証言を調べもせずに、やったと一方的に決め付けた調書を作ろうとするのだった。
 素直に認めればすぐにでも帰してやると言い、それを拒んだ主人公は弁護士を雇い法廷で争うことになるのだったが・・・。
 その間の拘置所での生活もリアルに描かれている。
 裁判の行方を主人公とともに体験しているかのような疑似体験感あふれる傑作。