佐藤忠男著『喜劇映画論』2


 山野は紅葉が始まり乾燥した晴れ間がつづく。最高気温20℃、最低気温10℃。
 どんぐりも転がっているのでひとつ拾ってみた。 

 山口昌男の本が今年になって二冊刊行された。
 その一冊が山口昌男著『エノケンと菊谷栄』です。
 エノケンこと榎本健一の劇団ピエル・ブリアントの座付作者菊谷栄をめぐる「昭和精神史の匿れた水脈」を展開した本でありますが、佐藤忠男著『喜劇映画論』に「エノケンの愛嬌と逃げ足」と題した文が収録されていました。*1

 《エノケンが子どもたちに親しまれた最大の理由は圧倒的なまでの愛嬌である。おどけるのが嬉しくてたまらなくて、体全体で笑ってやってくる。そして、子どもが真似したら親や教師から叱られるはずのことをじつに楽しそうにやってみせるところにあった。》  23ページ

喜劇映画論 チャップリンから北野武まで

喜劇映画論 チャップリンから北野武まで

エノケンと菊谷栄

エノケンと菊谷栄

*1:エル・ブリアント(輝く石)