16日、午前一時半ごろにオリオン座が南中していた。
月明かりがないので、天体観望に最適だった。
シリウスが明るく輝いている。
星と星を結ぶ大きな六角形の冬のダイヤモンドを眺めることができた。冬の星座が華やかだった。
天に星、地には山茶花(さざんか)の花が目を楽しませてくれる季節になった。
「礎(いしずえ)に砂吹きあつる野分(のわき)かな」
「角巾(かくきん)を吹き落し行く野分かな」
「近づけば庄屋殿なり霧のあさ」
「栗を焼く伊太利人(イタリーじん)や道の傍(はた)」
夏目漱石の俳句で、明治三十四年(1901年)の句です。
この四句は坪内稔典氏の脚注によると、《十一月三日に下宿で開かれた太良坊運座(太良坊は渡辺和太郎。のちに実業家として活躍した)での作。》とあります。
「栗を焼く伊太利人(イタリーじん)や道の傍(はた)」
ロンドンの街頭に栗を焼いて売るイタリア人がいたのを漱石は見ていたのかな。
日本では街頭で薩摩芋を焼いて売る光景が見られますね。

- 作者: 夏目漱石,坪内稔典
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1990/04/16
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