鵲(かち)の巣に白嶽の嶮かすむなし


 ハクモクレンの花が満開になっている。
 快晴で乾燥した風が吹いた。最高気温17℃、最低気温5℃。
 濃い青空に白い花弁が春風にゆれる。湿度が低いので肌寒い。


 「春北風白嶽(はくがく)の陽を吹きゆがむ
 「鵲(かち)の巣に白嶽の嶮かすむなし


 飯田蛇笏の俳句で昭和十五年(1940年)の句です。
 この年、蛇笏は朝鮮、満州へと旅に出かけている。
 二句の前書きは「京城にて」で、京城は現在のソウル。
 鵲(かち)というのは、鳥の鵲(かささぎ)のことですね。

カラス科の鳥。全長四五センチ。尾が長く、肩と腹が白く、ほかは緑色光沢のある黒色。雑食性。ユーラシア大陸と北アメリカ西部に分布。日本では佐賀平野を中心に九州北西部にだけ見られ、人里近くにすむ。天然記念物。かちがらす。朝鮮烏。高麗烏。  『大辞泉

 新刊に雑誌『COYOTE』の安西水丸特集号が出ていた。
 「安西水丸 おもしろ美術1年生」やインタビューの「ALL IN LINE 和田誠 安西水丸を語る 美術の教科書をつくること……はできない」を読む。
 インタビューに、ソール・スタインバーグの作品集「ALL IN LINE」を初めて見た時の回顧談がある。

COYOTE No.58 安西水丸 おもしろ美術1年生

COYOTE No.58 安西水丸 おもしろ美術1年生