たちまちに夜は冴返る國さかひ

 桜が見頃を迎えている。

    秘苑
 「門閉して松風かすむ秘苑かな

    安東にて 「たちまちに夜は冴返る國さかひ
  
 飯田蛇笏の俳句で、昭和十五年(1940年)の句です。
 蛇笏はこの年、朝鮮、満州に出かけた。 
 「安東にて」の安東は、満州国の朝鮮との国境駅。 
 蛇笏は朝鮮を経由して満州国へ向う。国境の駅安東駅からは南満州鉄道になり、当時の鉄道事情は、小牟田哲彦著『大日本帝国の海外鉄道』や、時代は少しさかのぼる林芙美子の「シベリヤの三等列車」も参考になります。
 参照:林芙美子「シベリヤの三等列車」http://www.aozora.gr.jp/cards/000291/files/48338_38449.html

大日本帝国の海外鉄道

大日本帝国の海外鉄道