川の中の浅瀬に、一羽カモメがいた。
餌(えさ)の魚を、ついばんでいる。
ついばみを止めると鳴き声を上げた。
大きな鳴き声である。
しばらくすると、もう一羽、カモメが飛来したのだった。
二羽が、交互に空に向けて、大きな鳴き声を上げた。
その後、二羽は水面をバタバタと羽をさせて滑空し、遠くへと飛び去った。
ちょうど羽の形が、本を開いた時の側面から見た形に似ている。
チドリ目カモメ科の鳥。全長四五センチ。背が灰色のほかは白く、くちばし・足が黄色。ユーラシア・北アメリカ北部に分布。日本には冬鳥として海岸や港に渡来する。
チドリ目カモメ科のうちアジサシ類以外の総称。海岸・川・湖などにすみ、翼は長めで先がとがり、飛翔力がある。体色はほとんどが白や灰色。動物の死体などさまざまなものを餌とする。ウミネコ・ユリカモメ・セグロカモメなどを含む。 『大辞泉』
「かもめ来よ天金の書をひらくたび」
三橋敏雄の自選十句より。