今月は、ポーランド映画祭が4月に引き続き開催される。
パヴェウ・パブリコフスキ監督の映画『イーダ』(2013年、80分、白黒)を観た。
1960年代初頭のポーランドを舞台に孤児として育てられた少女が自身の出生の秘密を知るために旅に出る。モノクロ撮影、スタンダード・サイズの画面、切り詰められたセリフ等ミニマルな映像美で描かれるロードムービーは“ポーランド派”へのオマージュが随所に。2015年ポーランド映画初のアカデミー賞外国映画賞受賞。
戦争孤児で修道院で育ったイーダ(修道院ではアンナと呼ばれていた)は、自分がユダヤ人であることを知り驚く。
初めて知る叔母の存在。院長の許可を得て叔母に会いに修道院から外の世界へ出た。
両親の消息を求め、叔母と車で両親の居た土地へ旅をする。
当時のポーランド社会で受けた両親の悲劇、墓を探して弔う二人。
後半、ジャズ・ミュージシャンの青年をヒッチハイクで車に乗せたことから展開する物語を含めて、イーダがこれからどう生きて行くのだろうか。