「月丘夢路特集」から井上梅次(うめつぐ)監督の映画『夜の牙』(1958年、日活、102分、カラー)を観る。
主人公の医師・杉浦は、知らぬ間に戸籍を抹消されていた。真相を探る杉浦の前に謎の美女(月丘夢路)が現れ、空襲で生き別れとなった弟の影が見え隠れする。石原裕次郎の人気上昇期のアクション・スリラー。(プログラムより)
ガード下で医院を開く杉浦(石原裕次郎)は、掏摸(すり)のお銀(浅丘ルリ子)と掏摸の三太(岡田真澄)という弟分がいます。
映画のニューフェイスに応募し、掏摸(すり)から足を洗うから戸籍を貸してくれと三太から頼まれ、区役所に出かけ確認すると、自分の死亡届けが出されているのでした。
その疑問を解くために三太と二人、杉浦は奥伊豆にある杉浦家の墓を訪ねて行った。
墓へ行く途中、謎の美女(月丘夢路)と二人はすれ違います。
叔父の家に行くと、なんと叔父の家は執事の加納(西村晃)が遺言で貰っていた。
しかし、加納はなにかに脅えたような言動をする。
お寺の住職の卓然和尚(森川信)の話から、遺産相続をめぐる陰謀があると杉浦は確信します。
その夜、三太と杉浦の泊まった宿に、昼間、すれ違った謎の美女も泊まっていました。
謎の美女も墓参りに来ていたのです。
翌日の戻る列車は三人とも同じ列車でした。
東京に戻った杉浦は謎の美女に接近し問い質(ただ)した。
なんと行方不明の杉浦の弟を愛していたと言うのです。
遺産相続の陰謀にエレベーターを見ると怖がる娘も加わり、また上京して来た執事の加納が殺されます。
ラストで、あっと驚く、陰謀の黒幕の「土曜日の男」の正体が明らかになるのでした。*1