睡蓮の葉の押さへたる水に雨意


 21日、二十四節気のひとつ夏至である。
 太陽が北にもっとも寄り、一年中で昼がもっとも長い日である。
 晴れる。最高気温27℃、最低気温22℃。
 雨上がりの公園の池へ寄る。ハスの葉に雨のしずくが残っていた。
 ハスの枯れ枝の先に、チョウトンボが止まっている。チョウトンボの飛び方は、ひらひらと飛ぶ。
 水面には小さな睡蓮(すいれん)が咲いていた。
 シオカラトンボはじっと同じ場所に動かないでいた。
 イトトンボはハスの葉に居る。時折、オニヤンマが池へ水平に飛んで来て、高速で去って行く。


 「睡蓮に雨意あり胸の釦嵌む
 「睡蓮の葉の押さへたる水に雨意
 「睡蓮の紅白妻も夢保て


 中村草田男の俳句である。
 昭和十六年(1941年)の句で、中村草田男句集「来し方行方」に所収。