ルイ・マル監督の『死刑台のエレベーター』

ルイ・マル

 「ルイ・マル監督特集」で、『死刑台のエレベーター』(1957年、フランス、92分、白黒)を観る。
 音楽・マイルス・デイヴィス
 出演、ジャンヌ・モローモーリス・ロネジョルジュ・プージュリー
 

社長夫人と不倫関係にある男が、社長を殺す完全犯罪を計画。自殺に見せかけて社長を殺したが、証拠隠滅のために戻った会社のエレベーター内に閉じ込められる。過ぎていく時間の中、男は独り焦る。更に、男の車は若いカップルに盗まれ、別の犯罪が引き起こされ・・・。


 完全犯罪をもくろんだ不倫関係の男と女が、予想外の出来事に翻弄されてゆく。
 犯行現場へロープを隠すために戻ろうとして男はエレベーターへ閉じ込められてしまう。焦るが時間は過ぎて行く。男の車は花屋で働く娘とその恋人に盗まれ、若いカップルは軽はずみからドイツ人旅行者をモーテルでピストルで撃ち犯罪を犯し、逃亡した。偶然が重なりしだいにほころび出した完全犯罪。夜の街をさ迷う恋人と会う約束をした女(ジャンヌ・モロー)の物憂げな表情が印象的だ。
 マイルス・デイヴィスの音楽が素晴らしく映像とともに味わい深かった。