突風の涼しさは子の高笑ひ

 二十四節気のひとつ大暑である。
 梅雨明け宣言が18日に出てから連日の、真夏日がつづく。
 炎天下、公園でショウジョウトンボがハスの葉にとまっていた。
 緑陰に吹く風が涼しい。


 「涼風の裂くばかりなる頁読む
 「突風の涼しさは子の高笑ひ
 「隣席の扇使ひは絶えてつづく


 中村汀女の昭和十五年(1940年)の俳句である。
 自然の涼風や突風、手に持ってあおいで風を送る扇子(せんす)に、夏の風の皮膚への感覚を汀女は詠んでいる。