16日、ドイツのニュー・ジャーマン・シネマを代表する作家の「ヴェルナー・ヘルツォーク監督特集」からの一本、『シュトロツェクの不思議な旅』(1976年、ドイツ、108分、カラー、デジタル・リマスター版)を観る。
シュトロツェクはベルリンの刑務所出所後、共同生活するエーファと老人シャイツと共に、エーファの情夫の脅迫から逃れて、金持ちを夢見てアメリカに渡る。だが、コトはそう簡単に進まなかった。(特集パンフレットより)
刑務所を出所したシュトロツェクは、ふとしたことから娼婦のエーファと共同生活をするようになるが、悲惨な現状からとエーファが情夫から逃れるためにとベルリンからシャイツ老人との三人でアメリカへ移住をするのだった。
ニューヨークに上陸した三人は摩天楼からニューヨークの街を眺める。
シャイツ老人の親族の住んでいるウィスコンシンの田舎に三人はたどり着いた。
再出発にまず、住宅ローンで移動式住宅を買った。
エーファはレストランでウェイトレスで働きはじめた。
しかし、三人がいくら働いても借金を返すのが滞りがちになり、エーファは逃げ出した。
残されたシュトロツェクとシャイツ老人の二人は追い詰められて強盗を働いてしまう。
シャイツ老人は捕まり、シュトロツェクはトラックで逃げる。
ラスト、スキー場のリフトに乗りシュトロツェクは、山上へ向かって上昇するのだった・・・。
アメリカでの夢破れ、行き場を失ったシュトロツェクは自暴自棄になりついに死を選んだ。
『シュトロツェクの不思議な旅』はベルリンからニューヨークを経由してウィスコンシンの田舎へのロードムービー。
借金取りの銀行家やローンの抵当の移動式住宅を借金の清算でオークションする場面などを皮肉っぽく淡々と描写している。