かつ動く額の汗のきらりとす

 連日、うだるような熱波の日がつづく。
 昨日の夕方、にわか雨があった。雨の中、街路樹の上が蝉時雨(せみしぐれ)であった。
 見上げるとアブラゼミが仲間で集まり鳴いているのだった。


 「三越を歩き呆けや花氷
 「かつ動く額の汗のきらりとす


 昭和十年(1935年)の中村汀女の俳句である。