新刊案内から

 岩波書店のPR誌「図書」2016年10月号の新刊案内を見ると、岩波新書の新刊に津野海太郎さんの本で『読書と日本人』が出るようだ。
 20日、発売予定。
 夏に、津野さんの『百歳までの読書術』を読んでいた。
 リチャード・ブローティガンの『アメリカの鱒釣り』を津野さんが晶文社から藤本和子訳で翻訳出版することになった経緯(いきさつ)が書かれていて感慨深かった。
 
 新潮社のPR誌「波」9月号に津野さんが書評を寄せている。
 マキシーン・ホン・キングストンの『チャイナ・メン』(藤本和子訳)なのだが、「チャイナ・メン史ひとこま」と題した書評で、藤本和子さんにブローティガンの『アメリカの鱒釣り』の翻訳を依頼したエピソードが、また、語られているのだった。
 

かくして私は「彼女の最初の編集者」になったのだが、いまやその和子さんが「新しい翻訳の時代の第一走者」とみなされている。その間にブローティガンヴォネガットもイリッチも世を去り、私よりずっと若いグッドマンまでがいなくなった。チャイナ・メン史のひとこまのごとし。  「波」84ページ

読書と日本人 (岩波新書)

読書と日本人 (岩波新書)