『松山俊太郎 蓮の宇宙』を読む

松山俊太郎 蓮の宇宙

 松山俊太郎著『松山俊太郎 蓮の宇宙』を手にとってみました。
 この本がどのような本であるかは、版元の太田出版の「蓮の宇宙」に詳しいです。

 参照:http://www.ohtabooks.com/sp/hasu/

 “怪人”松山俊太郎
 松山俊太郎インタビュー
 安藤礼二による解説
 「蓮の宇宙」書籍概要

 以上がとても参考になります。
 安藤礼二氏による解説が至れり尽くせりです。


 先月、「石原裕次郎と日活映画のスターたち」からの一本で、映画『けんかえれじい』(1966年、日活、86分、白黒)を上映会で観たのですが、鈴木清順監督による高橋英樹主演の青春映画でした。マドンナ役が浅野順子です。
 
 『松山俊太郎 蓮の宇宙』に対談が三つあるのですが、その一つに鈴木清順と松山俊太郎の対談があったので、驚きました。聞き手が、長部日出雄佐藤重臣の二人なので、対談は対談なのですが、聞き手の発言があるのでまあ座談会風な対談でしょうか。
 タイトルは「輪廻転生」、三島由紀夫も話題になっています。

 幼少から少年のころの読書体験を述べているのが、寺山修司との対談です。

 松山俊太郎は、寺山修司の「少年倶楽部」に対して、「幼年倶楽部」と「少女倶楽部」を読んでいました。「少年倶楽部」よりも「幼年倶楽部」や「少女倶楽部」の雑誌とその単行本化された本の影響を述べています。
 寺山修司佐藤忠男の「少年の理想主義について」への異論を展開しているのも興味深かったです。
 三つ目は、松山俊太郎と松岡正剛の対談「蓮華宇宙を語る」です。
 一部引用すると、

 

松岡 ところで、松山さんはいつ頃からハス研究をはじめたんですか。
松山 大学を出てからです。もっとも大学ってたって、はじめから入らなかったも同然なんだけれど。インドの詩を翻訳する時に、ハスがやたらに出てきた。作品によっては百バースのうちの三〇くらい入っている。それがどういうハスであるかを、いちいち決めないと訳せない。翻訳する時に全部「ハス」としたんじゃしょうがないからね。それでハスをやりはじめたら、今だにかかっていることになった。

松山俊太郎 蓮の宇宙

松山俊太郎 蓮の宇宙