開花宣言とセーラー万年筆

 雨のち晴れる。最高気温12℃、最低気温8℃。
 気象台からの桜の開花宣言が出た。平年並みの開花という。まだつぼみのところが多い。

 片岡義男の『万年筆インク紙』を読む。戦後の日本でボールペン(ボールポイント)の生産に最初に成功したのはセーラー万年筆だったそうだ。

 《一九五一年の夏から一九五三年の夏まで、僕は広島県呉市で過ごした。戦争中の東京への、アメリカ軍による激しい空爆からまず山口県の岩国へ逃れ、戦後のごく軽度な転変として呉市にいたのだ。一九五一年のセーラー万年筆は、いまのJR呉線でいく天応(てんのう)という駅から遠くない場所の工場で、戦後の復興をすでに始めたあとの、次の段階に達していた。》

 軍港からは離れていた天応工場は被害が少なかった。

 《一九五一年の僕が住んでいた場所から天応まで、一時間もあればいけたはずだ。》

 セーラー万年筆・天応工場

万年筆インク紙

万年筆インク紙