NHKラジオ深夜便で、「ぼくの“東京今昔物語”」という番組を聴いた。
小沢信男さんが出演。村上里和さんが聞き手である。
冒頭、編集者の松田哲夫さんが登場し、松田さんが小沢信男さんと出してきた本とその人柄などを語る。
『東京骨灰紀行』のことですね。
編集者の松田哲夫さんが、(一般論で)作家で人柄のいい人というのは少ない、という作家を前にしての談話に、大笑いであった。
一気に番組がなごむ。
松田さんの退場した後半は、小沢信男さんが最近三冊も出した本のことや最近の東京の街歩きの楽しみについての談話がつづく。
最近の三冊とは、『俳句世がたり』と『私のつづりかた』と『ぼくの東京全集』の三冊である。
『俳句世がたり』と『私のつづりかた』の二冊を読んで気がついたのは、『俳句世がたり』の参考文献に中村草田男の句集『来し方行方』が巻末に記されているのだった。発行元が自文堂で昭和二十二年刊行本だ。これはわたしの持っている本と同じ。小沢信男さんの書棚にこの本があるのだな。うーむ。
『私のつづりかた』の日記というのは、《親父(おやじ)が遺していた82年前の絵日記が残っていた。小学生2年生昭和十年ごろの・・・。》という経緯が語られた。その当時の絵日記から、花デンシャの箇所が小沢信男さん自身により朗読された。
耳で聞く『私のつづりかた』の一節。
『私のつづりかた』を読んで思い出されたのは、『小説昭和十一年』のことだった。
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