片岡義男と小林信彦の対談「星条旗と青春と」で、「一九四〇年代 大いなる幻影」、「一九五〇年代 蜜月の終り」、「一九六〇年代 根こそぎの十年」、「一九七〇年代 昨日を越えて」のうち、「一九六〇年代 根こそぎの十年」に、雑誌「平凡パンチ」の創刊された頃の話と植草甚一をめぐり小林信彦さんが語っている。
一部引用してみると、
片岡 創刊が一九六四年ですね。
小林 ぼくはあの創刊のとき、誌名に滑稽な感じを受けましたよ。「パンチ」というのはイギリスの「パンチ」からとったわけでしょう、明らかに。それで、「平凡」というのと「パンチ」というのは、日本語としてつながらんわけだね。「平凡」というのは文字どおり平凡なのでしょう。「パンチ」というのは、パンチだからね。なんか、つながらんですわね。ただ、ぼくの弟がかんでたから読んではいましたね。それで、「平凡パンチ・デラックス」というのがあったんですよ。それにぼくは書評をずっとレギュラーでやってたから。一番最初に植草さんをクローズアップしたのは「平凡パンチ」なんですよ。写真ページを何枚もとったんですよね。それが一番最初、植草さんをクローズアップした。あそこのある編集者とぼくの弟が組んでやったから、それでぼくはよく覚えているんですよね。植草さんが喜んで、その雑誌をあっちこっちで買い込んだという有名な話がある。
片岡 ぼくも当時、植草さんに何回も取材したことがあるんです。植草さんの日記に残ってますよ。 140ページ
片岡義男さんは当時の植草甚一さんに何回も取材し、植草甚一さんの日記にそのことが残っているようですね。
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