鈴木清順監督の映画を観る

 今月は鈴木清順監督(1923ー2017)の特集を開催します。
 鈴木清順監督は、松竹で助監督を務めた後、日活に移籍し、1956年に監督デビュー。日活アクションの全盛期に”清順美学”とも呼ばれる独特の演出でプログラム・ピクチャーを彩り、「関東無宿」「刺青一代」「東京流れ者」などでファンを魅了する名場面の数々を生み、1980年代には、「ツィゴイネルワイゼン」や「陽炎座」などでレトロとモダンが融合した夢幻的な世界を展開し高い評価を受けました。クエンティン・タランティーノジム・ジャームッシュ青山真治デイミアン・チャゼルといった第一線の監督たちからもリスペクトされる鈴木清順監督の作品を、是非この機会にご鑑賞ください。

 

 映像文化ライブラリーの3月プログラムより。

 

 1日(金) 「探偵事務所23 くたばれ悪党ども」1963(昭和38)年、日活、88分、カラー、35ミリ。
 2日(土) 「野獣の青春」1963(昭和38)年、日活、91分、カラー、35ミリ。
 3日(日) 「関東無宿」1963(昭和38)年、日活、92分、カラー、35ミリ。
 7日(木) 「悪太郎」1963(昭和38)年、日活、95分、白黒、35ミリ。
 8日(金) 「刺青一代」1965(昭和40)年、日活、86分、カラー、35ミリ。
 9日(土) 「東京流れ者」1966(昭和41)年、日活、82分、カラー、35ミリ。
 13日(水) 「河内カルメン」1966(昭和41)年、日活、89分、白黒、35ミリ。
 14日(木) 「けんかえれじい」1966(昭和41)年、日活、86分、白黒、35ミリ。
 15日(金) 「殺しの烙印」1967(昭和42)年、日活、91分、白黒、35ミリ。
 20日(水) 「ツィゴイネルワイゼン」1980(昭和55)年、シネマ・プラセット、144分、カラー、35ミリ。
 21日(木・祝) 「陽炎座」(かげろうざ)1981(昭和56)年、シネマ・プラセット、140分、カラー、35ミリ。

 3月プログラムの連載「シネマコラム 映画をめぐる数字」23は、「活動弁士の活躍」というタイトルで、戦前の映画年鑑に掲載された統計から、全国でどのくらい活躍していたか、その人数の推移を調べている。
 
 一部引用すると、

 1926(大正15・昭和元)年ー約7600人
 1927(昭和2)年ー約6800人
 1929(昭和4)年ー約6800人
 1932(昭和7)年ー約6900人
 1937(昭和12)年ー約3700人
 1939(昭和14)年ー約1400人

 「映画年鑑」(復刻版)、田中純一郎著「日本映画発達史Ⅱ」、徳川夢声著「夢声自伝」を参考にして記しているのだが、外国映画の説明者として名を馳せた徳川夢声も33年に弁士を辞めているそうだ。無声映画からトーキー映画の時代へ変わっていく様子が数字から見て取れます。