秋水に大鯉騒ぐこともなし

 

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 朝晩は気温が下がり、過ごしやすくなった。公園の池に睡蓮(スイレン)が眺められる。人々の喧騒を離れて静かに咲いている。水中に小さなメダカが数匹と集まって、泳いでいる。

 「秋水に五色の鯉の主かな」

 「秋水に大鯉騒ぐこともなし」

 松本たかしの昭和十三年(1938年)の句である。

 同年の春の句に、「庭先の梅にすぐある山路かな」という句があって、「久米正雄邸にて」という前書きがある。

 先月(8月)の新刊に、『久米正雄作品集』(岩波文庫)が出ている。

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