長閑さにまだゐる鴨や浦戸湾

 渡り鳥のヒドリガモを見かける。小さな群れで水面を滑るように移動していた。

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カモ科の鳥。全長四八センチくらい。雄は頭部が赤茶色で額が黄白色、胸がぶどう色、背と側面が灰色。雌は全体に褐色。ユーラシア北部で繁殖。日本では冬鳥で、港湾・湖沼でみられ、雄はピューと笛のような声で鳴く。あかがしら。  『大辞泉

「南国の南縁の梅今盛り」

「旅疲れ溶くるがごとき梅日和」

「春潮や袋の如き浦戸湾」

「長閑さにまだゐる鴨や浦戸湾」

 松本たかしの昭和十九年の俳句で、「高知市町田雅尚居滞留 十四句」という前書きがある。冒頭から選んで四句を引用してみた。

 十三句目の句は、

「梅林に落つる日城を染むるなり」

 十四句目の句は、

「逗留や再び遊ぶ城の梅」

 松本たかしは、高知城天守閣からの眺望も句にしている。

「霞む日の天守閣上の人となんぬ」