「波」8月号から

 秋に熟す果実で、ザクロ(柘榴)が実っていた。触ると硬いですね。直径、八センチ位のボール状の果実で、果皮はまだ割れていない。熟すと割れて中の果肉が見えるようになります。

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 「波」8月号の特別エッセイ「ミニシアター巡礼が私を作った」(太田和彦)を愉しく読みました。

 一部引用すると、

《古い作品を観続けるうち、いつしか「日本映画特有の表現とは何か」を考えるようになった。きっかけは1974年のフィルムセンターの特集「監督研究:清水宏石田民三」だ。以降両監督の上映は欠かさず追いかける。文芸の研究に全作読破は必須だが、映画は上映が他力本願ゆえ、なかなか全作までは辿り着けず、貴重な機会を出張などで逃すとまた20年後になるのは普通だ。苦節ン十年、両監督の現存作ほぼ9割は消化した。全作すばらしいが代表作を挙げておくと、清水「按摩と女」「小原庄助さん」「蜂の巣の子供たち」、石田「むかしの歌」「花つみ日記」「化粧雪」あたり。共通するのは、劇性よりも情感を重んじ、人物を風景に溶け込ませ、日本画における余白の如き部分を大切にする、だろうか。》

 小学館文庫の太田和彦著『シネマ大吟醸』を思い出しました。

 文庫の解説が佐藤忠男さん。