十薬を抜き捨てし香につきあたる

 曇り、最高気温25℃。爽やかな風が吹く。ドクダミの花が咲いていました。葉を千切ると独特の匂いがしますね。葉の形がサツマイモの葉に似ています。

ドクダミ科の多年草。日陰の湿地に生え、高さ一五~三五センチ。全体に悪臭がある。葉は広卵形。夏、淡黄色の小花を穂状につけ、その基部に白い苞(ほう)が十字形につき、花びらのように見える。整腸・解毒・利尿などの民間薬として用いる。十薬(じゅうやく)。  『大辞泉

 

 中村汀女の俳句に、「十薬を抜き捨てし香につきあたる」という句があります。昭和十五年(1940年)の句です。枯れている庭のドクダミを見つけ、抜き捨てようとした時に独特の匂いがしたよ。香につきあたるという表現に注目しました。