映画『ピクニック』

 ジャン・ルノワールの映画を見た。
 『ピクニック』(1936年、フランス、40分、白黒)を8月8日から一週間限定で上映中。
 ちょうどお盆で、観客が多い。
 パリ近郊のセーヌ川の川岸に馬車でパリからピクニックにやって来た都会の商人の娘アンリエット(シルヴィア・バタイユ)が、風に吹かれてブランコを漕ぐきらめくような躍動感が印象的だ。
 アンリエットの母と娘のアンリエットとが地元の青年と別々にボートに乗って舟遊びをするセーヌの川の水の流れ、吹き抜ける風にゆれる川岸の樹木の枝や葉、ウグイスのさえずり、突然の嵐の風雨で暗くなる描写などなんて美しいんだろう。主人公らの心模様を暗示しているかのようだ。
 ラストも含めて至福の映画。