2007-01-01から1年間の記事一覧

ゆく年の瀬田を廻るや金飛脚

寒波が昨日からつづいている。最低気温は2度で最高気温が4度の一日であった。 正午過ぎに青空になり雪が舞っていた。その後、目まぐるしく晴れたり曇ったりと変化する。葉牡丹の葉に丸い水滴が付いていた。 蕪村の句に、「としひとつ積(つも)るや雪の小…

『東海道品川宿――岩本素白随筆集』のこと

リンク元に、「素白随筆 岩本堅一」「岩本素白」で検索があるので調べてみると、なんと「qfwfqの水に流して Una pietra sopra」で岩本素白の随筆が文庫になっているのを知る。『東海道品川宿――岩本素白随筆集』(ウェッジ文庫)である。こういう文庫が出てい…

役にたたない ブルーノ・ムナーリ入門

『芸術新潮』2008年1月号の「役にたたない ブルーノ・ムナーリ入門」を読む。 ムナーリの『デザインとヴィジュアル・コミュニケーション』(みすず書房)のあとがきに訳者の萱野有美さんが、ムナーリの作品をウンベルト・エーコがエーコの著作『開かれ…

「新・話の泉」を聴く

夜、NHKラジオの番組「新・話の泉」を聴いた。「クリスマス拡大スペシャル」と題してゲストに落語家の桂文珍を迎えていた。常連の立川談志、山藤章二、毒蝮三太夫、嵐山光三郎、松尾貴史という出演者は変わらず、司会は渡邊あゆみアナウンサーである。 東京…

ラジオ深夜便で「読書で豊かに」を聴く

昨夜からの小雨が午前中にあがる。午後も薄曇であったが、夕方の東北東の空に朧月が昇っていた。鏡のような川面に月が映っている。午後八時前に朧月が南東に眺められた。24日は満月である。 NHKの「ラジオ深夜便」で、ないとガイド「読書で豊かに」を聴い…

多田道太郎の『変身放火論』

歯科に寄り治療。麻酔注射で下唇が痺れる。感覚が麻痺していたが、三時間あまりで元に戻る。うーむ。一日中、小雨や霧雨の冬至であった。 二十四節気の一。一二月二二日ごろ。太陽の中心が冬至点を通過する。北半球では一年中で昼がいちばん短く、夜がいちば…

菊池日出夫の絵本のこと

川を渡っていると海鵜がゆるやかな流れに浮いている。水中へ姿を消すとはるか彼方の上流に浮かび上がって来る。ヒドリガモが二羽岸辺をすーいすーいと、滑るように泳いでいた。蕪村の句に、「鴨遠く鍬(くわ)そゝぐ水のうねり哉」。 ブックオフで「おおきな…

火星とオリオン座を見る

今夜は晴れて雲ひとつない。風もなくそれほどの冷え込みもない。さきほど、南の空にオリオン座を眺めに出かけた。オリオン座が南中しているところだった。 そのオリオン座から天頂へ眼をやると赤い星が見える。火星でふたご座にあり高度は80度もある。ちょ…

静なるかしの木はらや冬の月

17日の夕方、上弦の月が高く昇っていた。鏡のような川面(かわも)に月が映っているのだった。蕪村の句に。「静(しづか)なるかしの木はらや冬の月」。 多田道太郎と鶴見俊輔の『対談 変貌する日本人』1986年(三省堂)を読む。現代風俗研究会の活動…

ブルーノ・ムナーリ あの手この手

NHK教育テレビで「新日曜美術館」を観た。「こんぴらさん 知られざる美〜若冲、応挙から21世紀へ〜」と題して、金比羅宮のふすま絵と障壁画をめぐる番組である。ゲストに池内紀と画家の田窪恭治のお二人。 壁から天井やふすまと細密な草花の絵が描かれた伊…

寒月や門をたゝけば沓の音

川を渡っていると川面(かわも)にヒドリガモや海鵜がいた。海鵜は単独で潜っては浮かび上がっている。一度潜ると十メートルほど離れて水面に姿を現わす。 夕方の南の空に三日月が昇っていた。蕪村の句に、「寒月や門をたゝけば沓(くつ)の音」。明和五年十…

映画『グッバイ・ボーイズ』とマレーシア映画

映像文化ライブラリーで、第19回東京国際映画祭(TIFF)で話題になったマレーシア映画が、「マレーシア映画新潮」というタイトルで12月、1月にまとめて紹介されている。12月12日から16日までが今月。来月1月は24日から27日まで「マレーシア…

モダン・ジャズ・クヮルテットの『たそがれのヴェニス』

一日中曇りで、霧雨が思い出したように降る日だった。冬野菜の白菜にしっとり湿り気が舞い降りている。 高山宏の『超人 高山宏のつくりかた』を読んでいると、思いがけない詩人が登場していて、おっと驚く。ロイス・エイラトの『あかいはっぱ きいろいはっぱ…

トウカエデと「ハイスクールライフ」のこと

街路樹のトウカエデの紅葉が、まだ見頃だ。 蕪村の句に、「紅葉見や用意かしこき傘弐本(にほん)」。うーむ。雨に備えて傘を二本かな。しかし、二本とは? それは、さて置き、ロイス・エイラトの『あかいはっぱ きいろいはっぱ』阿部日奈子訳(福音館書店)…

火星を眺める

快晴で日差しが強い。イチジク畑では葉が黄色っぽくなっている。青空と黄色の葉との鮮やかさ。まだ枝に熟した実が残っているのだった。 午後七時過ぎに東北東の空に、赤っぽくオレンジ色がかった明るい星が見られた。高度は二十五度くらいか。一瞬、夜間飛行…

冬野菜と渡り鳥

白菜、広島菜、高菜と冬野菜の苗がしっかり根付いたようだ。 昨日、川を渡っていると岸辺の浅瀬に鳥の群れを見た。ヒドリガモだ。 この冬、渡り鳥を見かけるようになったのは、2日頃からかな。 昨夜は月のない晴れた空で、星が降るような天の川が眺められた…

在野で夢見た「日本一」

講談社のPR誌『本』12月号で池内紀の連載「珍品堂目録」を読んだ。今月は「足の友達――『はきものとのりもの』」というタイトル。 宮本常一の『旅の民俗〈はきものとのりもの〉』1972年(現代教養文庫)をめぐる文である。読んでいると、先日の図書館セ…

多田道太郎氏を悼む

日記に「多田道太郎」で検索が多いので、もしやと思って朝日新聞(ネット)を見てみると、多田道太郎氏の訃報記事があり、驚いた。 ご冥福をお祈りいたします。 参照:多田道太郎さんについて主な一覧 『新選俳句歳時記』:http://d.hatena.ne.jp/kurisu2/20…

炉に焼てけぶりを握る紅葉哉

明け方の小雨で濡れた地面に街路樹のイチョウが、ひらひらと散っている。敷きつめられた落葉で地面が黄色だ。通りのあちこちで、落葉樹のケヤキやソメイヨシノやトウカエデの紅葉が目に鮮やかであるが、これらもひらひらと舞い落ちている。 蕪村の句に、「炉…

内山節の「日本の自然信仰」

街路樹のソメイヨシノも紅葉が進み、落葉が歩道脇に積もっている。 蕪村の句に、「冬ごもり心の奥のよしの山」。 講談社のPR誌『本』2007年12月号で、内山節の「日本の自然信仰」という文を読んだ。昨年の暮れに近づいたある日、筆者は奈良県吉野の一…

よらで過る藤沢寺のもみぢ哉

紅葉の季節で今が見頃である。青空に紅葉したケヤキやトウカエデが目に鮮やかだ。落葉も風情がある。 蕪村の句に、「よらで過(すぐ)る藤沢寺(ふぢさわでら)のもみぢ哉」。*1 昨夜、NHKテレビの番組「SONGS」を観た。小椋佳と五輪真弓の二人の語りと歌。…

「新・話の泉」と「ジグソーパズル的な知を求めて」

橋を渡っていると、前方をちょうど一羽のアオサギが横切って行くところだった。高さは五メートルくらいで水平に飛んで行く。翼を上下に動かしながら・・・。その後を追いかけるようにカモメがやって来た。 昨夜、NHKラジオの番組「新・話の泉」を聴いた。出…

『点と線』と「読書で豊かに」

昨夜の夜半に外が明るいので出てみると、天頂近くに月が昇っていて、ちょうど南中である。満月で澄み切った夜空に光り輝いているのだった。 今日も快晴で、夜明けは冷え込む。街路樹のトウカエデの紅葉が見事だ。 蕪村の句に、「寒月に木を割る寺の男かな」…

『超人 高山宏のつくりかた』のこと

十一月二十三日は、二十四節気のひとつ小雪である。立冬と大雪のあいだで、小雪というのだろう。 快晴で通りの街路樹に桑の大木がある。ちょうど目にも鮮やかな黄色の葉だ。大きな葉も見られる。マウスパッドほどのサイズだ。 蕪村の句に、「このもよりかの…

佐田尾信作氏の話を聴く

大人のための図書館セミナー「風の人 地の人―宮本常一という世界」を聴きに、夕方図書館へ寄る。講師は佐田尾信作氏。会場の四階の大会議室の聴衆は定員の百名ほど。司会は館長の吉田氏で、6時から始まった。 宮本常一の残した仕事とその今日的意義について…

内山節の『日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか』

夕方から通りに繰り広げられている「おとぎの国」を訪れる。 18日からえべっさんと呼ばれる商売繁盛を祈願する胡子大祭(えびす講)が始まっていて、散策する人が多い。立ち止まってデジカメで撮影している姿が、あちこちに見られた。 30メートルもある…

「新日曜美術館」でフェルメールを見聞

寒気団の南下で、冷え込む。晴れて街路樹の紅葉が鮮やかだ。 夕方、上弦の月が南南東の空に高く昇っていた。気温が下がり澄み切った空に流れる雲と半月が眺められる。 NHK教育テレビの「新日曜美術館」で《フェルメール つきぬ魔法の秘密〜「牛乳を注ぐ女」…

池澤夏樹の『虹の彼方に』

池澤夏樹の新刊『虹の彼方に』(講談社)を読んだ。二〇〇〇年の春から二〇〇六年の末までの間、雑誌『現代』の巻頭に筆者の書いたコラムを主に、その他の新聞や雑誌に書いた文章をまとめたものである。 「本を消費する国」と「バベルを復興する営み」の二編…

宮本常一 旅する民俗学者

夕方、南西の空の地平線に近く三日月が眺められた。 蕪村の句に、「三日月も罠(わな)にかゝりて枯野哉」。明和年間の句。 昨夜、NHKテレビの番組「探査機“かぐや”月の謎に迫る〜史上初!「地球の出」をとらえた」で、月の上空の探査機「かぐや」から地球を…

『はだかのカエルとはだしのライオン』

朝は冷え込む。サツマイモの鳴門金時が、植えてから四ヶ月である。そろそろ芋ほりの時期かな。試し掘りをしてみよう。 ささめやゆきの『はだかのカエルとはだしのライオン』(講談社)を読んだ。アフリカクロツメガエルは悩みおおき楽天家。アフリカライオン…