2009-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ジョセフ・ロージーの『エヴァの匂い』

「フランス映画特集 アキム・コレクションより」、ジョセフ・ロージー監督の『エヴァの匂い』(1962年、フランス、112分、白黒)を映像文化ライブラリーで観る。観客は30人ほど。 冒頭、ベネチア(ベニス)の風景から始まる。 場面は切り替わってベ…

「つみきのいえ」

24日の朝日新聞の一面に「おくりびと」アカデミー賞と記事があり、「つみきのいえ」も、とあった。 昨年(2008年)の夏に、加藤久仁生さんが第12回広島国際アニメーションフェスティバルの閉会式で、「つみきのいえ」がヒロシマ賞と観客賞の二つを同…

宿の梅折取ほどになりにけり

公園の梅が匂う。白梅で今が見頃である。 蕪村の句に、「宿の梅折取(おりとる)ほどになりにけり」。 離れて梅の老木を眺めると、枝が花に覆われて白く霞んだように見える。そばへ寄ると、梅の花を見上げている女の人がいて、「もう、桜が咲いているんです…

「怯えの時代」と「浮世絵」

ラジオ深夜便の「自然に親しむ」は明石勇アナウンサーの担当日。 今夜はみなみらんぼうの出演だった。来月の「自然に親しむ」のゲストは内山節さんで、最終回になるそうだ。 その、内山さんの新刊に『怯えの時代』(新潮社)があるようだ。 15日のNHK教育…

『洲崎パラダイス赤信号』

「名作映画 川島雄三監督特集」から『洲崎パラダイス赤信号』(1956年、日活、81分、白黒)を映像文化ライブラリーで観る。観客は30人ほど。 新珠三千代、三橋達也、芦川いづみ、小沢昭一、轟夕起子が出演している。原作は芝木好子の小説『洲崎パラ…

築田多吉と赤本

山田稔の『特別な一日』から「母の遺したもの」を読んだ。 「夜中にふと目が覚める。」 私は母の記憶をたどっていて、ふと母が遺したものの中から、「赤本」のことを思い出す。 《あの本はどうなっただろう。あれは確か、まだ捨てずに残してあったはずだが。…

『東京マダムと大阪夫人』

18日は、二十四節気のひとつ雨水である。 二月十九日ごろ。水ぬるみ、草木の芽が出始めるころの意。 『大辞泉』 14日は気温が上がって、21度を超(こ)え暖かかった。 17日は一転して寒くなり、寒風に牡丹雪が混じる時もあった。 「名作映画 川島雄…

ビクトル・エリセ監督の『ミツバチのささやき』

2月14日から一週間限定の上映であるビクトル・エリセ監督の映画、『ミツバチのささやき』(1973年、スペイン、99分、カラー)をサロンシネマ2で観る。 最終上映時間で観客は35人ほど。ニュープリント版。 1940年のスペインの片田舎の村が舞…

黄砂と春霞

黄砂が飛来する。空が霞み春先のような気温である。公園の白梅が開花し始めた。梅の木の周辺には香りが漂っている。 そばに寄ると香りに包まれる。 通りすがりの人が梅の木にやって来て、花と匂いに立ちつくしていた。 『長新太のチチンプイプイ旅行』(平凡…

森の魅力

暖かい日差し。モクレンのつぼみが膨らんでいる。 『東京人』2009年3月号で、「植草甚一の青春散歩」第四回を読む。 建築科の学生になった植草甚一が、演劇の舞台美術に熱中していた時期をめぐって連載はつづく。植草甚一の自伝的な文など引用しながら…

エマニュエル・リヴァ写真集

紅梅が満開になった。ほんのり梅の花の香りがする。かぐわしい匂いだ。 バラ科の落葉高木。葉は卵形で縁に細かいぎざぎざがある。早春、葉より先に、白・淡紅・紅色などの香りの強い花を開く。実は球形で、六月ごろ黄熟し、酸味がある。未熟なものは漢方で烏…

映画『エブリバディ・フェイマス!』

ドミニク・デリュデレ監督の映画『エブリバディ・フェイマス!』(2000年、ベルギー、フランス、オランダ 95分 カラー)を映像文化ライブラリーで観る。観客は25人ほど。 フラマン語とか300万人のフラマン人という字幕のセリフがある。この映画は…

阿川弘之の『我が青春の記憶』を聴く

川の岸辺に渡り鳥のヒドリガモの群れがいた。 もっと近くで見ようと、そーっと近づいた。岸の石垣に寄り集まっていたヒドリガモたちは、人の気配に気がつくと一瞬のうちに向きを変えて、岸から離れようと動き出したのだった。 阿川弘之の『我が青春の記憶』…

「新・話の泉」を聴く

梅のつぼみがほんのり膨らんでいる。昨日の夕方、上弦になりつつある月を南に高く見上げた。南西には金星が明るい。高度は40度くらいであった。 蕪村の句に、「しら梅の枯木にもどる月夜哉」。 今夜は節分で、鬼打ちの豆を撒いて海苔巻きを食べる。 夜、NH…

芭蕉めざめる

枇杷(びわ)の花が咲いている。白い花である。 蕪村の句に「枇杷(びわ)の花鳥もすさめず日くれたり」。 安永四年十一月二十日の句である。 夕方、南西に金星と三日月が光っていた。 今朝の朝日新聞で光田和伸著『芭蕉めざめる』(青草書房)の広告を見る…