2006-07-01から1ヶ月間の記事一覧

かもめ食堂のおにぎり

夜が明けると、いっせいに蝉が鳴き始める。アブラゼミやクマゼミが家々の庭木や街路樹などで延々と鳴く。街路樹に植えられているマテバシイのそばを通り過ぎる時に、幹に蝉が止まっていた。デジカメをぐぐっと近寄せてみた。なぜか、逃げないのだった。この…

長新太の線

街路樹のナツメの木に実が生(な)っている。まだ黄緑色である。ナツメの木の幹のそばから仰向いて眺めれば、長い枝のあちこちに実が鈴なりだ。 『芸術新潮』2006年7月号で、「みんな大好き長新太」に目を通す。記事に、 自分のスタイルについて、彼自…

ジャコメッティの故郷

夕方、南の空に木星が明るく眺められた。高度が四〇度ほどの高さだ。三日月が西の空に低く上がっていた。高度は十五度くらいかな。 雲ひとつない夏の夕空の青さが深まってゆく。その変化する青い色の深まりの中に、木星と三日月がくっきり見える。しばらくた…

セルゲイ・パラジャーノフの映画

通りにザクロの木があり、立ち止まって見上げた。背丈の高い木で、枝が長く延びている。大きな実が生(な)っていた。ほんのりと色付いてもいる。ひと月余り前に花が咲いていたが、こんなに大きく生っているので、驚いた。 ザクロ科の落葉高木。葉は長楕円形…

伊藤逸平の本

街路樹にメタセコイアが何本も植えられている。二十五メートルほどもある背の高い樹木だ。通りに沿って並べて植えられている。その一帯はまるで小さな森のようだ。見上げると天高くまで幹が伸びている。メタセコイア全体の姿は真横から眺めると、細長い三角…

映画アンケート

蒸し暑い梅雨明けのような天気だったが、夕方からにわか雨や雷がゴロゴロ鳴り出す。 「のんき新聞」第12号が勝川克志さんから送られてくる。特集・私の好きな映画ベスト3。 表紙に〈今回、趣きを変えて、映画アンケート特集にしてみました。みんな映画が…

土用干し

二十四節気のひとつ大暑は、二十三日だったんだね。 梅雨が明けそうで明けない。時折のにわか雨あり。終日、天気がぐずついた。街路樹からアブラゼミの鳴き声が聞こえて来た。晴れ上がったら、早速に土用干しだ。 『蕪村句集』に、 虫干や甥(をひ)の僧訪(…

『ザ・プライスコレクション』

イチジク畑にイチジクが実っている。まだ色付いてはいないけれども・・・。ざっと見たところカミキリムシは見かけなかった。 書店でPR誌『本の話』、『本の窓』、『青春と読書』の2006年8月号をもらう。 小学館の『本の窓』で『ザ・プライスコレクショ…

若冲と江戸絵画

昨日、川を渡っていると、川岸の浅瀬にアオサギが一羽いた。十五メートルほど近づいて観察する。すると、頭上を白いカモメが翼(つばさ)を広げて右手から左手へと飛び越えて行った。 NHK教育テレビの新日曜美術館で、「若冲21世紀へのメッセージ」という…

狐が現れた

ちょっと見は葉が、ハスに似ているなあ。歩道から見下ろす畑に植えられている作物に目が留まった。そのハスに似ているのはサトイモだった。梅雨明けしたような天気で風が吹いている。見ていると、サトイモ(里芋)の密集した葉が風に吹かれて揺れている。 サ…

さみだれや大河を前に家二軒

明日は雑節でいえば、土用だ。 梅雨の中休みだろうか。曇っている。傘をささずにすむほどの小雨が時折降る日だった。 川を渡っていると、水量の増した川にアオサギがいた。竹の篊(ひび)の先端が水面にのぞかせている所へいる。増水した水のことなど知らぬ…

糸トンボの水色の尾

梅雨空でどんより曇っている。にわかに雨が降ったり止んだりする。 糸トンボが睡蓮の葉にとまっていた。尾の先が水色をしている。 丸谷才一の『絵具屋の女房』*1(文藝春秋)から「インディアンと野球」と「薬を探す」を読んだ。どちらも話が横道に行ったり…

色川武大の『寄席放浪記』

街路樹のナツメの木に実が大きくなっていた。花が咲いていた頃から、実が付いて成長するまでが、随分速い。花は六ミリほどの大きさで黄緑色。実の色は、まだ黄緑色をしたままだ。 色川武大(阿佐田哲也)の『寄席放浪記』(廣済堂出版)を読む。初版は198…

タルホの明石時代

公園の池へ寄り道。ハスのつぼみが大きくなっている。もうしばらくすれば、咲きそうだ。 気温が上がり蒸し暑い。池の水面になにやら動くものがいる。目を凝らすと、メダカのようだ。ぴっぴっとメダカの動きが水面に波紋を広げる。 『中央公論』2006年8…

ニイニイゼミが鳴く

公園の樹木でニイニイゼミが鳴いていた。この夏、セミの声を初めて耳にする。夏になって最初に現れるセミだ。鳴き声はアブラゼミやクマゼミほどの大きさではなく、耳にそれほどの負担にならないほどのかわいらしい音量だ。 黒い蝶が、ヒラヒラと植え込みのサ…

イチジクは無花果

イチジク畑にイチジクの実が成っていた。卵大の大きさもいくつか見える。実に見えるのは、花嚢(かのう)と言うらしい。外から見えないが、内部に雄花と雌花をつける。そうすると、イチジクを食べていると、口の中でぷちぷちした小さな種の舌触りがするけれ…

今西錦司の『自然学の提唱』

七夕(たなばた)だが、夜は曇って天の川は見られず。うーん、七夕の時に星空を眺められたことが、随分ないような気がする。先日の上弦の月の頃、午後八時過ぎに、南中している木星のすぐ左下に上弦の月が眺められた。それも、雲間に見えたという状態だった…

今西錦司の「見てみい」

公園の池へ寄り道する。ハスは背が伸びて高くなっていた。ハスの葉につかまって静止しようと、ヘリコプターのように飛行するトンボを見た。からだ全体が赤いトンボだ。あとで調べるとナツアカネらしい。 トンボ目の昆虫の総称。頭部の複眼は大きく左右に突出…

荒俣宏の『決戦下のユートピア』

梅雨空で降ったり止んだりしている。アジサイの花が目に鮮やかだ。 荒俣宏の『決戦下のユートピア』*1(文春文庫)を読んだ。まえがきに、 まあ、相撲でいうなら、腰を引いて左半身(はんみ)、といったところだろうか。ものごとはすべからく、半身がよい。…

茂木健一郎の「欲望する脳」

街路樹の青桐(あおぎり)に花が咲いている。高さが一〇メートルを超えた高木。幹の色は緑色。枝も同じく緑色だ。ふーむ。青桐という名前は、この緑色の樹皮に由来するのかな。 アオギリ科の落葉高木。樹皮は緑色。葉は大形で手のひら状に三〜五つに裂け、柄…

坂口安吾と夏安居(げあんご)

梅雨の中休み。雨が上がり、午後より晴れ上がった。川でアオサギを見かけた。 雑節のひとつ、半夏生(はんげしょう)が、夏至から十一日目の七月二日にあたる。 このころから梅雨が明け、田にカラスビシャク(半夏)が生えるのを目安に田植えの終期とされて…