2007-03-01から1ヶ月間の記事一覧

深町眞理子の「昔むかし読んだ物語」のこと

快晴で風が強い。通りにある桜はソメイヨシノが多い。八重桜はまだ咲いていないが、ソメイヨシノは週末から来週にかけてが見頃かな。 シダレヤナギの若葉はぐんぐん伸びている。枝に若葉色が増して目に鮮やかだ。強く吹く風に枝がゆれている。 ミネルヴァ書…

馬下りて高根のさくら見付たり

山笑う。晴れて暖かい。空は霞んだようになっている。中国大陸の方から黄砂が偏西風で運ばれて来ているようだ。 蕪村の句に、 馬下りて高根のさくら見付たり 朝日新聞の文芸時評を読む。「幻想と現実」と題して加藤典洋が書いている。小林信彦の「日本橋バビ…

垂直の軸と水平の広がり

25日の能登半島の地震が震度6強を観測したという。昨日、震源に近い所に住んでいる人へ安否の電話をかけた。被害はなかったが、地震の揺れが長く続いたという。 通りにある街路樹に桜が白くポツポツ咲き始めていた。そばに近寄ってじっと眺める。ソメイヨ…

桜が咲く頃

夕方、渡り鳥のヒドリガモを見る。川岸に近い水面(みなも)をすいすい泳いでいた。人の気配を察して、ヒドリガモは遠ざかる。快晴の空を仰げば天頂に月が昇っている。月は半月で、西の空には金星がひときわ明るく輝いて、高度は三〇度を越えているかな。観…

池田晶子と長薗安浩の対談を聴く

朝からの曇りが雨になる。夜半まで小雨がつづく。昨日の夕暮れに、道端に白いナズナの花を見た。その時に三日月が西に傾いていた。南の空には明るいシリウスが眺められた。蕪村の句に、 春雨やもの書(かか)ぬ身のあはれなる*1 先日、池田晶子と小池昌代の…

フリーペーパーを読む

通りの街路樹にアキグミの木が植えられている。そばを通るときに見ると芽吹いていた。 昨日、某老舗書店でフリーペーパー「WASEDA bungaku」Vol.09を頂く。中森明夫と重松清の対談が面白かった。編集者で、ヤスケンこと安原顯さんのように前へでるひとではな…

ラジオ名人寄席

二十四節気のひとつ春分である。午後、お彼岸で墓参りに行く。 菜の花が道端に咲いていた。蕪村の句に、「なの花や昼一(ひと)しきり海の音」。 夜、NHKの「ラジオ名人寄席 お彼岸特別興行」で落語を聴く。演目と落語の解説は玉置宏であった。 桂吉朝の「天…

橋なくて日暮んとする春の水

川を渡っていると、岸辺の水をたたえた辺りにヒドリガモの群れがいた。渡り鳥が棲みついているのだ。夕方、橋の上をカモメの群れが飛び越えて遠くへ去って行った。アオサギは、ずっと浅瀬に一羽でいる。 蕪村の句に、「橋なくて日暮んとする春の水」。安永四…

ごみ焼却場を歩く

晴れているが気温が低い。北からの強い風が吹く。 午後、三年前にできたごみ焼却場を訪れた。まだ風邪が治りきっていないので、やや体力不足。案内板の説明を読んで、入り口への階段を上る。ふーっ。エレベーターもあるが、歩いて上ることにする。上ると、北…

『海野弘 本を旅する』

地方の図書館を訪ねて歩いている。これは私ではないのだが、あちこちの地方の図書館を訪ね歩いている人の図書館訪問記を読んだことがある。 海野弘の『海野弘 本を旅する』(ポプラ社)で「都市と図書館」という文を読んでいて気づいた。その地方の図書館を…

梅原猛の『日本冒険』のこと

確定申告書を提出し終える。ほっとする。 一日中、気温が上がらず、霧雨が降ったり止んだりであった。『蕪村句集」に、 よもすがら音なき雨や種俵 安永九年二月十五日の句である。 13日の朝日新聞で、「奈良・東大寺の修二会(お水取り)は12日夜、長さ…

梅ちりてさびしく生しやなぎ哉

季節がひと月後戻りしたかのようである。晴れて日差しは強い。だが風は冷たいのだった。枝垂れヤナギを近くで観察すると、黄緑色の穂状の花が見られた。『蕪村句集』に、 梅ちりてさびしく生(なり)しやなぎ哉 阿川弘之の『七十の手習ひ』から「追懐 淳之介…

阿川弘之の『あくび指南書』

寒の戻りで寒さにやられたのか、風邪気味だ。くしゃみをする。 街路樹の白モクレンを眺めていると、そばに枝垂れヤナギが枝を垂らしている。まだ芽は出ていないが、もうすぐだろう。 地味な古本屋で、店頭の棚を見た後店内へ。店内の文庫は一冊一五〇円と表…

長新太 こどものくにのあなきすと

『KAWADE道の手帖』の「長新太 こどものくにのあなきすと」を新聞広告で知る。うーむ。読んで見たいね。先月、買った樋口清之の『逆ねじの思想』(角川文庫)の表紙が長新太だった。1984年12月初版の文庫。 加島祥造の『荘子ヒア・ナウ』に、荘子は「…

八朔と金星と墓碑銘のこと

通りすがりに柑橘類に出くわした。大きな実のなった八朔の大木が、住宅の庭から道路へ張り出している。八朔は直径一〇センチくらいである。見上げると大粒の実で鈴なりであった。 夕方、晴れた西の空に明るく輝く金星あり。 夜、NHKテレビの番組「迷宮美術館…

『先生とわたし』をめぐって

快晴で風も強く冷え込む。枝垂桜の植えられている通りの道端の草むらに、タンポポを見つけた。 晴れた夕方の西の空には、宵の明星の金星が高度を上げて来ている。高度は三〇度くらいだ。 六日の朝日新聞の「鶴見俊輔さんと語る」を読んだ。この対談シリーズ…

安岡章太郎の『死との対面』のこと

二十四節気のひとつ啓蟄である。冬ごもりの虫が地中から這い出るころという。しかし、寒波で冬に逆戻りだ。気温が下がり最高気温が九度であった。暖冬の薄着に慣れていたのだが、防寒着がまだ必要のようだ。 厳冬のような風と気温の中、橋の上から浅瀬にいる…

池田晶子と小池昌代の対談を聴く

昨夜からの強風が一日中続いた日だった。ぶるぶる。晴れているが、寒の戻りで寒い。 街路樹の白いモクレンが、はっと目にも鮮やかに咲いていた。数日前は、まだつぼみだったのに、この間の暖かさで開花したのだろう。 そばでじっくり眺める。うーむ。不思議…

雛祭る都はづれや桃の月

快晴で暖かい。まるで春の陽気のようだ。街路樹の桜はまだ咲いていないが、庭木の桃で満開なのを、通りすがりに見つけた。垣根越しに近くで眺める。ほんのり花の香りがした。 夕方、東の空に満月が、西の空には宵の明星の金星が見られた。金星は高度を上げて…

勝川克志の『少年幻燈館』

快晴で日差しが強く、とても暖かい。通りの街路樹の中でモクレンはつぼみだが、ツバキは花盛りである。近寄って花を眺める。 書店に寄り、予約していた本を購入。勝川克志の『少年幻燈館』(小学館)。表紙カバーの帯に川本三郎の推薦文があり、それを読む。…