聞き書き本を読む

古本マニアをめぐる聞き書き本を読む。南陀楼綾繁著『古本マニア採集帖』である。 《「本好きの生活史」のようなものが描けないかと漠然と考えたのです。》 目次 「古本と遊ぶ」「古本とコレクション」「古本で調べる」「古本と仕事」 36人への聞き書きで…

集英社のPR誌「青春と読書」の新連載

集英社の「青春と読書」4月号に「わたしの神聖なる女友だち」(四方田犬彦)というタイトルの新連載が始まっていました。 《男と女の間には友情はなりたつのだろうか。男は女のどこに学び、どこに敬意を抱きつつ、自分を造り上げていくのだろうか。花火のよ…

十薬を抜き捨てし香につきあたる

曇り、最高気温25℃。爽やかな風が吹く。ドクダミの花が咲いていました。葉を千切ると独特の匂いがしますね。葉の形がサツマイモの葉に似ています。 ドクダミ科の多年草。日陰の湿地に生え、高さ一五~三五センチ。全体に悪臭がある。葉は広卵形。夏、淡黄…

五木寛之を読む

快晴で爽やかな風が吹く。最高気温25℃。クルミ(胡桃)の実が大きくなって枝のあちこちに眺められた。クルミの実は小さなレモンのような形をしている。 《初夏の切れ味の良い陽射しが降りそそいでいた。》(五木寛之著「蒼ざめた馬を見よ」より引用) オニ…

イタリア書房のこと

曇り、最高気温24℃。爽やかな風が吹く。道端に黄色の花と白い綿毛のタンポポが眺められた。 3月下旬から映画館でヴィットリオ・デ・シーカ監督の映画「ひまわり」の上映がつづいている。ヘンリー・マンシーニの音楽。1970年に公開された作品である。h…

PR誌が届く

25日、最高気温25℃。気温が高くても湿度が低いので、とても過ごしやすい時期である。ツツジが満開で、今が見頃だ。 白水社のPR誌「白水社の本棚」2022年春号が届いた。 連載「愛書狂」(岡崎武志)を読む。「白水社の本棚」で最初に読むのがこのコラ…

たんぽぽの花には花の風生れ

新緑のきれいな季節。散歩の途中、ツツジやタンポポの花をあちこちに見つけた。立ち止まって花を観る。ふわふわした白い綿帽子は風が吹くと今にも空へ舞い上がりそうだ。ツツジの花に蜜蜂を見つけた。 「照影も殊に故郷の花の蔭」 「山櫻かざしし馬車をまた…

グランマ・モーゼス展

「グランマ・モーゼス展」を観に出かける。アンナ・メアリー・ロバートソン・モーゼスは70代で本格的に絵を描き始め、80歳の時にニューヨークで初個展を開いた。最初期から101歳で亡くなるまでに描いた作品から日本初公開を含む約130点の作品が公…

「波」4月号の表紙

新潮社のPR誌「波」4月号の表紙の写真が本を読んでいる津野海太郎さんの写真であった。背景にあるのが本棚である。背表紙が並んでいる。表紙に、 みんな 好きに 生きて 津野海太郎 という、津野さんの筆跡がある。 背景の本棚の本は津野さんの蔵書ではなか…

ミネアポリス美術館 日本絵画の名品展

全国各地を巡回している「ミネアポリス美術館 日本絵画の名品展」を観に行きました。アメリカの中西部ミネソタ州のミネアポリス美術館の所蔵する日本絵画のコレクションより選ばれた作品の展覧会です。写真撮影がOKでした。以下の写真は、画壇の革新者たちか…

花曇ふくみし水のひややけく

晴れる。最高気温16℃、最低気温8℃。春風に誘われて桜狩りに。 ソメイヨシノや枝垂れ桜の花が見頃になっていた。青空を背にして桜が映えている。 「花曇ふくみし水のひややけく」 「揺れてゐる人がのぼりし櫻かな」 中村汀女の俳句で、昭和八年(1933…

徒歩旅行記

「岳人」2022年1月号の連載「北海道縦断無銭旅行サバイバル」(服部文祥)を読んだ。今回が最終回だった。無銭で狩猟と採集による徒歩旅行記である。食料は、何か所か山の中の小屋にあらかじめ補給所として置き、山野での食料の採集生活で北海道の大地…

桜の開花

21日、気象台から桜の開花宣言があった。今はまだ5分咲きといったところで、公園の桜の木を眺める花見客の姿がちらほらと眺められます。 「みすず」1・2月合併号に読書アンケート特集があり、アンケートの回答が掲載されています。 小野和子『あいたく…

『野呂邦暢 古本屋写真集』のこと

『野呂邦暢 古本屋写真集』が岡崎武志&古本屋ツアー・イン・ジャパン編で文庫化された。その表紙を見ると、古本屋の前に立つ野呂邦暢さんが写っている。 この表紙の写真の古本屋が、編者の岡崎武志と小山力也の二人の対談を読むと、エイス書房であるという…

鼎談集

1978年~1980年に雑誌「話の特集」に掲載された対談を収録した本、金井美恵子・金井久美子著『鼎談集 金井姉妹のマッド・ティーパーティーへようこそ』を読んだ。 ゲストに、蓮實重彦、武田百合子、西江雅之、大岡昇平、山田宏一、フィリス・バンバ…

水仙の花鼻かぜの枕元

スイセンの花が咲いている。日を浴びたスイセンの花が鮮やかだ。 「水仙の花鼻かぜの枕元」 明治三十年(1897年)の夏目漱石の俳句である。 『漱石・子規往復書簡集』より俳句を引用。 漱石・子規往復書簡集 (岩波文庫) 岩波書店 Amazon

うめ折て皺手(しはで)にかこつ薫(かをり)かな

晴れ上がって暖かく、最高気温13℃。梅のつぼみがふくらみ始めている。咲いた白梅に鼻を近づけると、ほんのりとした良い香りが漂って来た。 与謝蕪村の句に、「うめ折て皺手(しはで)にかこつ薫(かをり)かな」 「波」2月号の新刊案内に、津野海太郎著『…

小冊子「新書は独学の友」

先日、書店で「新書は独学の友」という赤い表紙の小冊子を入手しました。非売品です。 巻末に95冊の既刊新書のリストがあります。 表紙に次のように書かれています。 創刊5周年フェア副読本 独学に役立つ インターナショナル新書の情報を ご紹介します。 …

水鳥も見えぬ江わたる寒さ哉

朝の最低気温が氷点下を記録する。日の出が7時頃で、最高気温10℃。曇りのちに晴れた。川面(かわも)に渡り鳥の群れがとどまって餌を探していた。ヒドリガモの群れである。西風の寒風の吹くなかで、静かにゆっくりと水面を滑るように動き回っていた。ヒド…

「白水社の本棚」より

20日の二十四節気のひとつ大寒が過ぎても寒さの厳しい日がつづく。 冬空の晴れ間にハクモクレン(白木蓮)の木がネズミ色のつぼみをつけていました。ビロードのような手触りの毛に花芽はつつまれています。 触るとまだ硬いですね。 白水社のPR誌「白水社の…

マスク同志向かひ合せてまじまじ

朝、0℃近くまで冷え込んだ。雪混じりの風が吹き、最高気温は7℃。午後から青空が広がり、山茶花(サザンカ)の木が満開で見ごろを迎えていた。近くに寄り花やつぼみを観察する。葉はつやがあり、葉っぱの縁にギザギザがある。 ツバキ科の常緑小高木。九州・…

フレデリック・ワイズマン監督の映画『ボストン市庁舎』

一週間限定上映中のフレデリック・ワイズマン監督の映画『ボストン市庁舎』(2020年、アメリカ、274分、カラー)を観に出かけた。ワイズマン監督の新作はマサチューセッツ州のボストン市庁舎が今回の舞台である。映画館で入手したチラシによると、マ…

能もなき渋柿どもや門の内

先日、道端の街路樹に柿の木があった。柿の色が青空に映えている。葉は落ち、実は枝に鈴なりであった。近くに寄り、下から見上げる。一番の低い位置にある実は手が届かない高さにあった。 「能もなき渋柿どもや門の内」 夏目漱石の俳句で、明治31年(18…

ボルヘスの『記憶の図書館』

「ちくま」12月号で、国書刊行会の新刊広告を見た。 ボルヘス対話集成『記憶の図書館』である。垂野創一郎訳。 《ポー、カフカ、幻想文学、推理小説、日本、仏教、映画ーー20世紀文学を代表する巨匠が縦横自在に語った深遠で博大な118の対話。》 J・…

今年の3冊から

読売新聞の読書面に、「2021年の3冊」が掲載されていた。栩木伸明氏が、黒川創著『旅する少年』(春陽堂書店)を挙げていた。 編集グループSUREの『海老坂武のかんたんフランス料理』で、海老坂武さんと黒川創さんの対話が興味深かった。『旅する少年』…

「言葉の人生」

年末になると一年を振り返って新聞の書評欄に今年の本から「この3冊」といったアンケート特集がある。 18日の毎日新聞の「この3冊」を手に取ってみた。中島京子氏・選に橋本治著『人工島戦記』という本があって値段をみて驚いた。 堀江敏幸氏・選の「こ…

新刊案内から

書店にて出版社のPR誌を頂きました。「ちくま」12月号です。〈重箱のすみから 13〉(金井美恵子)と〈世の中ラボ〉(斎藤美奈子)の二人の連載が続いています。 筑摩書房の新刊案内にあるのですが、ちくまQブックスというシリーズ本が出ています。今月号…

雑誌「ユリイカ」、フレデリック・ワイズマン特集

雑誌「ユリイカ」2021年12月号を手に取って見た。特集・フレデリック・ワイズマンである。 昨年の5月に、アメリカの高級百貨店のニーマン=マーカスが経営破綻をしたというコロナ禍の中でのニュースがあった。 フレデリック・ワイズマン監督の映画『…

鴨啼くや上野は闇に横はる

先日、川にヒドリガモの群れがいました。渡り鳥です。群れはゆるやかに流れる川を静かに滑るように動いています。群れが大きく広がり、また集まってきて小さくなり、絶えず一時も止むことがなく動いていました。 「鴨啼くや上野は闇に横はる」 正岡子規の俳…

山茶花に新聞遅き場末かな

晩秋から初冬の頃に咲きはじめる山茶花(さざんか)の花が満開になっていた。近くに寄り、白い花弁を眺める。ツバキ科の常緑樹で葉が艶々としている。 「山茶花に新聞遅き場末かな」 正岡子規の俳句です。