映画『シノニズム』

先月、「映画/批評月間 フランス映画の現在 vol.02」オリヴィエ・ペール(「アルテ・フランス・シネマ」)によるセレクション。「2019年ベスト アルテ共同製作作品」からの一本で、ナダヴ・ラピド監督の映画『シノニズム』(2019年、フランス、イス…

秋風が吹く

秋風が吹く。夏日で最高気温は26℃。晴れて日差しが強い。白いムクゲの花が咲いている。 アオイ科の落葉低木。高さ約三メートル。葉はほぼ卵形で、縁に粗いぎざぎざがある。夏から秋にかけて、紅紫色の五弁花が朝開き、夕方にしぼみ、次々と咲き続ける。中…

対談3

ドングリが鈴なりに実っている。マテバシイの実で、長楕円形の形で茶色だ。 ブナ科の常緑高木。九州以南の海岸近くに生え、高さ約一〇メートル。葉は長倒卵形で厚く、裏面は褐色。六月ごろ、雄花穂と雌花穂とを上向きにつける。実はどんぐりで、あく抜きをせ…

対談2

秋の風が吹いている。心地よく乾いた風だ。山野草の実が色づいて宝石のように輝いていた。つる性の植物である。 対談 「稲垣足穂に会ったころ」矢川澄子・荒俣宏 前回の「対談」のつづきになります。 荒俣 一九〇〇年頃に生まれた人というのは、僕が知ってい…

対談

もうすぐ秋分の日。暑さ寒さも彼岸まで。吹く風が秋の深まりを感じさせる。 紅紫色のハギの花が満開だ。 マメ科の落葉低木。山野に自生し、枝はあまり垂れない。葉は三枚の楕円形の小葉からなる複葉。秋、紅紫色蝶形の花が咲く。庭木にする。 『大辞泉』 本…

唯の野に唯の森あり秋新た

朝晩が涼しくなる。秋新た。青空を背にして花梨(かりん)の実が鈴なりだ。卵円形で黄緑色をしてる。まだ熟してはいないようだ。表面はきれいでつるつるしている。実はカチカチに硬い。 「唯の野に唯の森あり秋新た」 松本たかしの俳句で、昭和十三年(19…

「待つ」ということ

9月4日金曜日、夜のラジオ番組で「高橋源一郎の飛ぶ教室」を聴きました。 「秘密の本棚」は、鷲田清一の「『待つ』ということ」という本をめぐる高橋さんの話で、50年前の高橋さんの思い出に、人を「待つ」という体験談も語られました。鷲田清一さんの臨…

新刊案内から

猛暑の日々を、夾竹桃の紅色の花が咲きつづけている。 キョウチクトウ科の常緑低木。株立ちとなり、葉は竹に似て、三枚が輪生。乳液に毒がある。夏、紅色の花を開く。花は先の五裂する筒形であるが、八重咲きが多く、白色・淡黄色などもある。インドの原産。…

PR誌から

ツバキの実が、やや色づきはじめていました。常緑樹で葉に艶があります。 先日、講談社のPR誌「本」9月号を入手し、新刊エッセイを見ると、四方田犬彦の「愚かしさとは何か?」が掲載されていました。冒頭に、《このたびわたしが上梓する『愚行の賦』は、愚…

カツベンっておもしろい!

イチョウの木の実が見られる季節になった。下から眺めると丸い形をしている。実は薄く色づきはじめていた。 イチョウ科の裸子植物。一科一種。落葉高木で、高さ約三〇メートルに達する。葉は扇形で中央に裂け目があり、秋に黄葉する。雌雄異株。春、葉の付け…

「図書」8月号から

ザクロの木に果実が鈴なりになっていた。葉はつやつやとした光沢がある。ザクロの実をさわると硬い。 「図書」8月号に連載が始まった、四方田犬彦の「虚言の文学者」(大泉黒石ーー1)を読んだ。四方田犬彦著『月島物語』で大泉黒石について書かれていたの…

湯煙の中なる蝉に法師蝉

街路樹のオリーブの木に、くすんだ黄緑色の果実が鈴なりになっていた。二センチほどの大きさで、葉は細長く、実をさわると硬い。 モクセイ科の常緑高木。高さ七~一八メートル。葉は細長く、表面が暗緑色、裏面が銀色で、対生する。五~七月ごろ、黄白色の香…

おはぐろの舞ふとも知らで舞ひ出でし

先日、公園の池にショウジョウトンボや蝶トンボを見つけた。ショウジョウトンボはハスのつぼみにとまっていて、吹く風にゆーらゆーらと静かに風にゆられていた。チョウトンボは近くに寄っても逃げる気配がない。観察のため接近することができた。チョウトン…

「ちくま」7月号から

筑摩書房のPR誌「ちくま」7月号の新刊案内で、ちくま文庫の濱田研吾著『俳優と戦争と活字と』に注目しました。徳川夢声著『夢声戦中日記』(中公文庫)という本の解説が濱田研吾氏。昭和十七年五月、徳川夢声は芝居の巡業に東京から九州へ向った。その一行…

「ちくまさん」

筑摩書房のPR誌「ちくま」8月号の新刊案内を見ると、西村ツチカさんの「ちくまさん」が、書籍化されるという案内がありました。《ちくまさんは、ちょっぴりドジだけど勤労意欲溢れるナイスレディ。PR誌「ちくま」の表紙と表2を飾った好評連載がオールカラ…

「そもそもオリンピック」

スズキコージ「そもそもオリンピック」原画展をgallery Gにて観る。アーサー・ビナード作、スズキコージ絵による絵本の原画が展示されていました。絵本の原画を見ると、そもそも近代オリンピックとはどのようにしてはじまったのか、その辺の事情にもふれて、…

「満月雑記帳」から

梅雨の中休み、ハスが開花の季節を迎えている。白い花弁の中心に花托が見られます。 「サンデー毎日」の七月十九日号の中野翠の「満月雑記帳」に、 《前号で、今年一月十三日に急逝した坪内祐三さんの著作集『本の雑誌の坪内祐三』(本の雑誌社)が出版され…

コミさんのバス旅から

田中小実昌著『コミさんほのぼの路線バスの旅』で、コミさんこと田中小実昌さんは東京からフツーのバスをのりついで、お江戸日本橋をふりだしに、東海道を京の三条大橋までたどり着いた。 《お江戸日本橋をふりだしに、この京の三条で東海道はあがりとなる。…

花はちす雀をとめてたわみけり

梅雨の晴れ間に、公園の池にハスの花と花が散って花托(かたく)が見られました。ハスの葉にトンボもいました。ショウジョウトンボの雄(おす)です。 トンボ科の昆虫。雄は全体に鮮やかな赤色、雌は橙(だいだい)色。夏、池沼に普通に見られる。本州以南、ア…

映画『ユリウシュ』

ポーランド映画祭の一本でアレクサンデル・ピェトシャク監督の映画『ユリウシュ』(2018年、97分、カラー、日本語字幕、デジタル)を観ました。美術教師のユリウシュの父は絵描きであるのだが、息子からみて破天荒な生活を送っている。心臓発作で入院…

「図書」7月号から

「図書」7月号に掲載されている文筆者・切通理作さんの「古本屋は、無限の世界とつながっている」で、《私は物書きだが、昨年の八月からなぜだか古本屋もやっている》という。切通理作さんの地元・阿佐ヶ谷の松山通りという商店街に「ネオ書房」という店名…

映画「月曜日が嫌い」

《今年もポーランド映画祭では、民主化以前に製作された秀作から近年製作された感動の実話ドラマやコメディなど、バラエティーに富んだ作品の数々をお届けします。 巨匠アンジェイ・ワイダ監督の代表作『灰とダイヤモンド』、民主化以前に製作されたコメディ…

PR誌の連載から

カリン(花梨)の実が大きくなっていました。カリンの実は、まだ黄緑色で硬くニワトリの卵のような形です。鈴なりですね。 先日、書店で紀伊國屋書店のPR誌、scriptaの56号(七月発行)を入手しました。連載「半農半翻訳な日々」(吉田奈緒子)、「ROADSID…

今年の二度ある梅雨や額の花

梅雨の晴れ間に、アジサイの花が咲いていました。ガクアジサイ(額紫陽花)とアジサイ(紫陽花)が見ごろです。 「紫陽花の大きな毬の皆褪せし」「今年の二度ある梅雨や額の花」 松本たかしの俳句です。 『中央公論』の6月号で、対談「要再注目!いま自宅で…

ラジオの書評

朝、NHKラジオの番組の「著者からの手紙」で、『「山奥ニート」やってます。』の著者・石井あらたさんが出演。この作品は私たちのこうでなくてはいけないという思い込みをはげしく揺さぶってきます。お金はどうしているんですか。と聞かれるそうですが、とて…

飛ぶ教室「おもしろがる事のたいせつさ」

NHKラジオの夜開く学校、「高橋源一郎の飛ぶ教室」を聴く。今週のゲストが建築家の堀部安嗣さんで、はじめに高橋源一郎自身の今までに住んだ家についての話からはじまりました。生活の拠点にした家の数を数え(引っ越しで三十数か所)、(大阪、東京、尾道)…

文学さんぽ「谷崎潤一郎」

ヤマモモ(山桃)の木に実が紅く色づいています。熟した実は地面に点々と落ちていました。 ヤマモモ科の常緑高木。本州中部以西の山地に多く、高さ約一五メートル。葉は長楕円形で、革質。雌雄異株。四月ごろ開花し、雄花穂は黄褐色、雌花穂は花柱が紅色。実…

玻璃盤(はりばん)に露のしたたる苺(いちご)かな

クルミ(胡桃)の木が、丸い実を付けていました。まだ黄緑色をしていて、さわると硬いですね。 「更衣(ころもがえ)同心衆の十手かな」 「玻璃盤(はりばん)に露のしたたる苺(いちご)かな」 「能もなき教師とならんあら涼し」 明治36年(1903年)…

あるシリーズに「はまる」

三月はじめに、黄色の小さな花が房のようになって咲いていたサンシュユ(山茱萸)の木が実を付けていました。実はまだ黄緑色をしています。 ミズキ科の落葉小高木。葉は楕円形。樹皮ははげやすい。早春、葉より先に黄色の小花を密につける。実は熟すと赤くな…

十薬の花に涼むや楽屋裏

ドクダミの白い十字形が目立つ季節になりました。葉を千切ると独特の匂いがします。この時期は繁茂した姿を見ることができます。 ドクダミ科の多年草。日陰の湿地に生え、高さ一五~三五センチ。全体に悪臭がある。葉は広卵形。夏、淡黄色の小花を穂状につけ…