いちじくをもぐ手を伝ふ雨雫

曇り空で気温が高い日々がつづく、最高気温32℃。 イチジクが大きくなっていたので、近くに寄って観察した。 手で触ると、イチジクはまだ硬くて食べごろではなさそうだった。 食べごろに色づくには、もう少し日にちがいるだろう。 ところで、昆虫少年をして…

『血と霊』の映画化

クルミの実が茶色に色づいてきた。 「図書」8月号の連載「大泉黒石」12(四方田犬彦)で、今月号のタイトルは、「『血と霊』の映画化」。 大正十二年(1923年)に大泉黒石が書き上げた『血と霊』という一二〇枚ほどの短編を原作に日活向島撮影所で撮…

折りとりて花みだれあふ野萩かな

長くつづいていた雨が止み、ヤマハギが咲きはじめていました。 マメ科の落葉低木。山野に自生し、枝はあまり垂れない。葉は3枚の楕円形の小葉からなる複葉。秋、紅紫色の蝶形の花が咲く。庭木にする。 『大辞泉』 秋の七草とは、ハギ(萩)、オバナ(尾花)…

夏の夜のラジオ番組

NHKラジオの番組で「高橋源一郎と読む“戦争の向こう側”2021」を聴く。 《「戦場に行った作家たち」をテーマに、林芙美子・古山高麗雄の作品から「戦争とは何か」を考える。【司会進行】作家・高橋源一郎、詩人・伊藤比呂美【ゲスト】女優・鈴木杏》 前半…

映画『幸せの答え合わせ』

イギリス南部の海辺の町シーフォードを舞台にした、もうすぐ結婚29周年を迎えようとしている熟年夫婦の離婚を描いた映画。夫のエドワード(ビル・ナイ)は高校で歴史を教えている教師。妻のグレース(アネット・ベニング)は退職して詩集を編んでいる。一…

胡桃落つ日の夜となれば月明かく

青空を背にしてクルミが実っていました。鈴なりのクルミの実はまだ緑色をしています。 オニグルミの果実。また、クルミ科クルミ属の落葉高木のオニグルミ・テウチグルミなどの総称。果実は丸く、肉質の外果皮と堅い内果皮に包まれた子葉部分を食用にする。 …

昼中の堂静かなり蓮の花

朝早くからアブラゼミが鳴きはじめました。最高気温34℃。 蓮の花が、風に吹かれ、ゆれています。 「昼中の堂静かなり蓮の花」 正岡子規の俳句です。明治二十七年(1894年)の句で、前書きがあり、「不忍池」とあります。

輸送船が出た港

今月の新刊で堀川惠子著『暁の宇品』を読んだ。 陸軍船舶司令部、暁(あかつき)部隊の跡地と旧陸軍桟橋を訪れた。船舶司令部跡は公園になっています。陸軍桟橋の跡地は埋め立てられて宇品波止場公園となり、陸軍桟橋の一部が保存されていました。 古山高麗…

映画『吸血鬼ノスフェラトゥ 恐怖の交響曲』

《ドイツ表現主義の巨匠、F・W・ムルナウによる吸血鬼映画の原点。怪奇映画の古典を、ライブ・エンターテイメント「活弁」でご体験ください。》(パンフレットより) 「活弁シアター」を観に出かけた。 映画『吸血鬼ノスフェラトゥ 恐怖の交響曲』(1922…

高橋英夫著作集のこと

最近、河出書房新社から高橋英夫著作集が出ました。『高橋英夫著作集テオリア〈1〉批評の精神』です。 昨年、高橋英夫氏の単行本未収録エッセイ集『五月の読書』が刊行され読んでいたら、ホイジンガの『ホモ・ルーデンス』の翻訳で校正刷りができたら、林達…

「著者からの手紙」を聴く

ひらひら低くゆるやかに飛ぶ蝶を見かけた。ツツジの葉にとまる。ツマグロヒョウモンの雄(オス)ようだ。近くに寄り観察する。 日曜日の朝のNHKラジオで「著者からの手紙」を聴いた。 話題の新刊書について著者へのインタビュー番組である。今回は、新刊で『…

映画『海辺の家族たち』

公開中の映画『海辺の家族たち』にジャン=ピエール・ダルッサンが出演しているのでこれは観なければと出かけた。 監督と脚本をロベール・ゲディギャン。原題:La villa。 地中海のマルセイユ近くの別荘のある入江のさびれた漁村が舞台。突然に父親が倒れそ…

ヤマモモの熟す頃

曇りのち晴れ。最高気温28℃。 街路樹のヤマモモが赤く熟している。熟した果実は枝から落下して地面に多数散らばっていた。スズメが実をついばんでいる。 書店に寄り新刊コーナーを見ると、平台に大塚信一著『哲学者・木田元: 編集者が見た稀有な軌跡』とい…

紫のさまで濃からず花菖蒲

23日、晴れる。最高気温28℃。 梅雨時の花、ハナショウブの花が咲いている。大きな紫色の花びらが鮮やかだ。 アヤメ科のノハナショウブから改良した園芸種。葉は剣状で中脈が隆起する。五、六月ごろ、紫色・白色・絞りなどの大きな花を開く。江戸時代から…

『ケンブリッジ・サーカス』を読む

梅雨の中休みである。曇り空で、最高気温28℃。 公園の池を訪れると、ハスのつぼみがふくらんでいた。睡蓮のつぼみは見られず、葉の上を絡み合うようにクロイトトンボが飛び回っていた。 一方、ひっそりと睡蓮の葉の表面にじっとしているクロイトトンボも見…

新刊案内から

今年は例年とくらべて梅雨入りが早かった。今は梅雨の中休みというところ。紫陽花(アジサイ)の花が見頃になった。 『ちくま』6月号の新刊案内を見ると、今月の新刊に安田武著『戦争体験』が、ちくま学芸文庫にて14日発売とあった。中公文庫の安田武の『…

飛ぶ教室「翻訳の極意」

夜、NHKラジオの番組で、夜開く学校「高橋源一郎の飛ぶ教室」を聴く。 82歳のおばあちゃんの高野文子の「田辺のつる」の話から番組ははじまる。 前半の「ヒミツの本棚」は、カズオ・イシグロの最新作『クララとお日さま』が採り上げられて紹介される。長篇…

『波』六月号の書評から

新潮社のPR誌『波』六月号を頂いた。 表紙に、坪内祐三さんの三輪車に乗った写真と筆跡とが掲載されている。 トマス・ピンチョンの『ブリーディング・エッジ』刊行記念特集の池澤夏樹と矢部太郎の両氏の寄稿を読む。 「世界はゲームだぜ」(池澤夏樹) 「複…

中学生わかし蛾族を花とみぬ

夏日がつづき、曇り空で蒸し暑い。最高気温27℃。 散歩の途中に道端にクローバーの白い花が一面に広がっていた。 花と花の間を蜜蜂が飛び回っていた。近くに寄って眺める。人が近くにいてもほとんど反応せずそのまま蜜を探して飛び回っているのだった。蜜蜂…

メトロポリタン美術館みんなのうた

日曜日の朝のNHKのラジオ番組の「サンデーエッセー」を聴く。 「サンデーエッセーSP『みんなのうた』いつまでも」 大貫妙子さんの出演で、「みんなのうた」で放送された「メトロポリタン美術館」の曲の歌詞がどのようにできたか、大貫妙子さんが語る。ナポ…

PR誌から

映画『ヒトラーに盗られたうさぎ』を観たあとに読んだ新潮社のPR誌『波』5月号の特別エッセイ「あの日、ヒトラーを見た私」(安西篤子)からもう少し引用してみる。 安西さんがヒトラーがドイツで台頭した頃にベルリンのアムパーク十五番地のマンションに住…

「あの日、ヒトラーを見た私」と映画のこと

新潮社のPR誌『波』五月号のエッセイ、「あの日、ヒトラーを見た私」ーー佐江衆一『野望の屍』に寄せて(安西篤子)に注目しました。 九十三歳になる筆者がベルリンで六歳の時に見た目撃談を語っています。 《ヒトラーの勢力が増してきたある日、父は六歳の…

梅の実のいま少しほどふとりゐき

梅の木に実が鈴なりに生(な)っていました。バラ科の落葉高木で、かおりのいい白や紅の花が早春に咲きます。梅干しにするにはまだ早いかな。 「更衣(ころもがへ)ひとの煙草の香の来るも」 「梅の実のいま少しほどふとりゐき」 中村汀女の昭和九年(193…

映画はこうしてつくられる

雨上がりの公園のバラ。花の表面が雨のしずくで濡れている。 3月のミシェル・ピコリ追悼特集で上映された映画にジャン=ピエール・メルヴィル監督の『いぬ』(1962年)、ジャン=リュック・ゴダール監督の『軽蔑』(1963年)、ルイ・マル監督の『五…

妻が持つ薊(あざみ)の棘(とげ)を手に感ず

山道にアザミが咲いていた。近くに寄って眺める。細長い葉のふちには鋭いとげがあり、鮮やかな花の色やその姿が目立つ山野草である。 キク科アザミ属の多年草の総称。葉に多くの切れ込みやとげがある。花は、多数の細い管状の紅紫色の小花からなる頭状花。ノ…

新連載から

公園のバラが満開で見ごろを迎えていた。撮っていると花からの甘い香りが漂って来る。ほのかに香るバラの匂いが心地よい。 『ちくま』5月号を入手。表紙は、ラビット氏と蛸のヒグチユウコの絵。 今月号より「些事にこだわり」(蓮實重彦)というタイトルの…

リニューアルされたPR誌

先日、白水社のPR誌が届いた。 リニューアルされた「白水社の本棚」である。 2021 春号。 タブロイド版からA5判の32ページの小冊子になった。 紙に厚みがあります。 持ち運びが楽になり、開いて読みやすくなった。 新連載・「汗牛充棟だより」(北村…

蜜蜂とツボちゃんの話

先日、新緑の道端の草地に一面にクローバーが咲いていた。 花を撮影しようと近くに寄ると、蜜蜂が花をひとつひとつ点検するかのように飛び回っていた。 クローバーの花から蜜を探して吸っている。 蜜蜂を眺め、クローバーの花を撮影するためカメラを近づける…

映画『ノマドランド』

映画『ノマドランド』を観た。 2020年ベネチア国際映画祭金獅子賞受賞作。 監督・クロエ・ジャオ。主演・フランシス・マクドーマンド。 『ノマドランド』は2008年のリーマンショックで職と家を失った主人公が亡き夫の思い出の品を詰めこんだキャンピ…

一つづつ花の夜明けの花みづき

桜が終わると、街路樹のアメリカハナミズキが咲きはじめた。 白に紅色が少し混じった苞(ほう)が開き、中心部に黄色の花が密生している。 四季折々に楽しめる街路樹である。 花が日々増える新緑の今が、とりわけ清々しく美しい。 ミズキ科の落葉小高木。樹…