2010-04-01から1ヶ月間の記事一覧

タル・ベーラ監督の映画『倫敦から来た男』

28日、タル・ベーラ監督の映画『倫敦から来た男』(2007年、ハンガリー・ドイツ・フランス、138分、白黒)を横川シネマで観た。 ジョルジュ・シムノンの小説『倫敦から来た男』の映画化。抑制の効いた息詰まるような沈黙に覆われた犯罪サスペンス映…

『ゲゲゲの女房』と貸本漫画

今週のNHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』で、貸本屋の女主人(松坂慶子)がひったくり犯の原田を店に雇っていることに、布美枝(松下奈緒)が驚くシーンがある。 松坂慶子の女主人の貸本屋に並んでいる貸本漫画ですが、昭和漫画館青虫からエキストラ出演と…

ツツジとたねむらすえひろ

ツツジが咲き出した。ツツジの白い花が密集していて遠くから眺めると雪でも降ったかのように見える。 ツツジ科ツツジ属の植物の総称。常緑または落葉性の低木。まれに小高木もある。よく分枝し、枝や葉に毛がある。春から夏、白・紅・紫色などの漏斗形で先の…

猫の三味線

季節はずれの寒風のなかを、道端にナズナの白い花が咲いている。小さくて目立たないが、近寄って眺めるとなるほどと思う形をしていた。 アブラナ科の越年草。道端などに生え、高さ一〇〜四〇センチ。葉は羽状に裂けている。春、白い小さな四弁花を総状につけ…

まだ長ふなる日に春の限りかな

20日は二十四節気のひとつ穀雨。4月5日の清明から二週間、その間肌寒い日が多かった。 四月になっても花冷えの日があったりと、天候が不順だった。アイスランドの火山爆発が気象に影響を与えているのでは? 八重咲きのヤマブキが咲いていた。黄金色で鮮…

映画『路傍の石』

「森繁久彌特集」で、久松静児監督の映画『路傍の石』(1960年、東京映画、104分、白黒)を観た。山本有三の小説『路傍の石』を新藤兼人が脚色。 少年の吾一(太田博之)の父・庄吾(森繁久彌)は土地の訴訟裁判で東京へ行って不在である。 残された…

映画『駅前旅館』

今月は「森繁久彌特集」が上映されている。 豊田四郎監督『駅前旅館』(1958年、東京映画、109分、カラー)を観た。シネマスコープ。 井伏鱒二の小説の映画化。八住利雄の脚色。 昭和33年頃の上野駅前の団体旅行客専用旅館に今はなっている柊元(く…

『ほろにが菜時記』

寒の戻りのような冷え込みだった。季節が逆戻りしたような天気である。 4月からウェッジ文庫が休刊だそうだが、5月の新刊でウェッジから塚本邦雄著『ほろにが菜時記』が出るようだ。 塚本邦雄といえば、先月『出埃及記』(しゅつえじぷとき)という「本」…

ジョルジュ・メリエスに捧ぐ

10日、映像文化ライブラリーで「ジョルジュ・メリエスに捧ぐ」と題して、「ウィリアム・ケントリッジ展」関連上映で、ジョルジュ・メリエスの映画5本を観る。東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵作品。 ジョルジュ・メリエスの作品の上映前に、美術館…

映画『猫と庄造と二人のをんな』

曇りのち小雨。春の雨である。 蕪村の句に、「はるさめや暮(くれ)なんとしてけふも有(あり)」。 「森繁久彌特集」が開催されている。豊田四郎監督の映画『猫と庄造と二人のをんな』(1956年、東京映画、104分、白黒)を観た。小雨のためか観客は…

水星と『清浄なる精神』のこと

晴れて気温が低かった。北よりの強風が吹き、電線が鳴る。風で川面(かわも)に模様が出来る。 夕方の西空に低く雲があり、めったにお目にかかれない惑星は見えなかったが、地上では桜の花がほんのり紅色を帯びていた。 あの地動説のコペルニクスでさえ、お…

山桜を見る

4月5日は二十四節気のひとつ清明で、快晴で長閑(のどか)な桜日和である。 3日、山桜の老木を見に行く。一五〇年の山桜。花は八重である。 見物人がいたが、多くはない。花見客があちこちに桜の樹の下で宴を開いていた。まだまだ静かだ。焼肉のグリルの…

「湯川成一の美しい本たち」10

3月30日に書き留めた聞き書きのつづきです。 ラジオ深夜便の「こころの時代」で「湯川成一の美しい本たち」と題した放送は、西橋正泰さんによるインタビュー番組ですが、放送の終わりに「湯川成一と湯川書房ゆかりの美術家たち」展についての意図と内容の…