2008-01-01から1年間の記事一覧

年末の葉牡丹

気温が10度にも上がらず、ぶるぶる底冷えのする一日だった。 寒風の中で山茶花(さざんか)の花が紅色で満開だ。葉牡丹の薄紫色が見事だ。 夕方、南西の空に月と金星が接近していた。金星は高度が35度位で月は三日月だった。 『群像』2009年1月号に…

ヨウコ・アールトネン監督の映画『革命の歌』

「山形国際ドキュメンタリー映画祭優秀作品上映会」が映像文化ライブラリーで12月23日から28日まで開催されている。 26日、ヨウコ・アールトネン監督の映画『革命の歌』(2006年、フィンランド、80分、カラー、白黒)を観る。観客は10人ほど…

「種村季弘は終わらない」

先日の朝日新聞で「種村季弘は終わらない」の記事を読んだ。 種村季弘の本で好きな本を何冊かあげてみると筑摩書房の漫遊記では『書物漫遊記』、『食物漫遊記』、『贋物漫遊記』、『好物漫遊記』とあるが、とりわけ『食物漫遊記』が気に入っている。なかでも…

文具の雑誌から

ステーショナリーフリーマガジン【ブンツウ】2008年12月号を、老舗文具店でもらう。 読者が選ぶベスト文具2008BUN2大賞結果発表。それによると、 大賞(第一位)フリクションボール(パイロットコーポレーション) 準大賞(第二位)クルトガ(三…

冬至の書評

21日は二十四節気のひとつ冬至である。朝から霧雨が降ったり止んだりの一日であった。10度前後の気温で終日経過する。かぼちゃにゆず湯。 蕪村の句に、「新右衛門(しんゑもん)蛇足(じゃそく)を誘ふ冬至かな」。*1 今朝の朝日新聞に、農文協から『風…

天上の花

午前2時半ごろ外へ出てみると、月が東に昇っている。高度が30度ほどだった。ちょうど月は下弦で、人がまぶたを閉じたような感じである。凍てつくような寒さでないので観望が楽である。 南西にオリオン座があり、リゲル、おおいぬ座のシリウス、こいぬ座の…

『須賀敦子全集』年譜のこと3

今回は、イタリアの絵本作家でもあるブルーノ・ムナーリと須賀敦子さんのことについて触れてみます。 『須賀敦子全集』第8巻にある年譜で、気になった箇所からの抜粋です。 1981年、九月 このころ、白水社芝山博、ウンベルト・エーコ『薔薇の名前』の翻…

『須賀敦子全集』年譜のこと2

11月13日の 「『須賀敦子全集』年譜のこと1」で気がついたことの幾つかを書いて置くことにしよう。 『須賀敦子全集』第8巻にある年譜は、松山巌さんによるもので実に詳細に調べてあります。それは、須賀さんの日記、手紙、作品から作成された年譜で大…

生誕百年

今朝の朝日新聞に《「異」への敬意 貫く知性》と題して、「20世紀後半に大きな影響を与えた人類学者レヴィ=ストロース氏が11月28日、100歳の誕生日を迎えた。」と始まる文(渡辺公三氏による)が目に飛び込んできた。 昨日、池澤夏樹の『雷神帖』…

落葉して遠く成りけり臼(うす)の音

イチジク畑にイチジクが枝に残っている。葉は黄色くなって・・・。 蕪村の句に、「落葉して遠く成りけり臼(うす)の音」。明和六年十月五日の句である。 クワ科の落葉小高木。卵形の実とされるものは、中にうす紅色の多数の小花が集まったもの。食用。 『角…

「aer」と「随想」

6日の県立美術館地下講堂であったエマニュエル・リヴァさんを迎えての「トークショー」に、超満員のため入場できなかった。 地下から地上へ出て、真向かいのアーバンビューグランドタワー公開空地内にあるギャラリーGに向かった。歩いて1分である。北風と…

蜂飼耳の「師走をめぐる言葉」

3日、ゆずの木からゆずを収穫した。枝に棘(とげ)があり、枝に触れた時に痛い目にあった。 黄色い色が太陽を思わせるゆずである。さっそくゆず湯に入った。寒いときにはゆず湯がいいなぁ。 ミカン科の常緑低木。また、その果実。枝にとげがあり、葉は長卵…

「新・話の泉」を聴く

昨夜、NHKラジオの番組「新・話の泉」を聴いた。 立川談志、山藤章二、嵐山光三郎、毒蝮三太夫、松尾貴史さんの出演で、司会は渡邊あゆみアナウンサーである。 じゃあ、進めの信号の色は何色かと話しているところから聴けた。 「バラ色の人生?」色なき色を…

宇宙見物

ソメイヨシノの紅葉が散って地面に敷き詰められていた。 葉が朱に染まって見事だ。快晴で遠くまで澄み切った青空である。 夕方、南南西の空に三つ輝く星が見られた。月と金星、木星が集合しているのだった。 高度は25度くらいに集合している。このように惑…

エマニュエル・リヴァの写真展

4月に観た映画アラン・レネ監督の『ヒロシマ・モナムール』の主演女優の撮影した写真の展覧会が始まっているので、見に出かけた。 写真展「HIROSHIMA 1958――エマニュエル・リヴァの広島」の展覧会の会場が三ヶ所に分かれている。 そのうち、クリックファー…

里過て古江に鴛を見付たり

小春日和である。渡り鳥の群れが岸辺に近く集まって川面(かわも)に浮いていた。20数羽の群れで、鳥はヒドリガモのようだ。この冬、初めて見た。 蕪村の句に、「里過(すぎ)て古江に鴛(をし)を見付(みつけ)たり」。 日が暮れる18時ごろ、南南西の…

「自然に親しむ」を聴く

昨夜のラジオ深夜便は明石勇アナウンサーの担当日であった。 今月(11月)の「ないとガイド」の「自然に親しむ」はゲストが内山節氏である。 うっかり眠ってしまい、途中から聴けた。 明石さんと内山さんの談話に耳を傾ける。 内山 最近、鳥猟(とりりょう…

「植草甚一の青春散歩」のこと

川を渡っていると、川面(かわも)に白い鳥がいた。カモメの群れである。竹のひびの周辺に散らばるように浮いている。のどかな小春日和だ。 蕪村の句に、「小春凪(こはるなぎ)真帆(まほ)も七合五勺(しちがふごしゃく)かな」。 先日から植草甚一のアニ…

カリフラワーと「ことばの考古学」

植えたカリフラワーの苗を見る。うーむ。しっかり根付いたようだ。 ブロッコリーの葉は少し、虫に齧られている。 22日は、二十四節気のひとつ小雪だ。 岩波新書創刊70年記念の『図書』で、「私のすすめる岩波新書」を読む。 表紙絵は宮崎駿。アンケート…

『天文手帳』

書店に寄り、来年用の手帳を買う。地人書館の出している『天文手帳』で、昨年より30円値上がりしていた。 レジで、『図書』(岩波新書創刊70年記念)臨時増刊2008をもらう。 荒川洋治の新刊に目を通す。『読むので思う』(幻戯書房)。 本を処分して…

杉田比呂美の「どこどこかえる」

18日からの真冬のような気温に、ぶるぶる。寒い。 冷蔵庫の野菜室なみの温度である。 寒気団が南下していてその影響である。マフラーとコートなどが手放せない季節がやって来た。明日の朝は最低気温が1℃だという。 春から夏のあいだに動きまわっていた池…

『誰にもわかるハイデガー』

通りの街路樹の紅葉が目に付く。イチョウの黄色の葉が散って、これも目に鮮やかだ。 紅葉狩りの季節になりました。 ハイデッガーといえば、筒井康隆の講演を収録した『誰にもわかるハイデガー』(新潮社)というカセットテープがあるのですが、久しぶりにこ…

ハイデッガー読みたくて

快晴で気温が上がる。街路樹のトウカエデが紅葉している。 蕪村の句に、「落葉して遠く成けり臼(うす)の音」。明和六年十月五日の句である。 早朝、ラジオのNHKの番組「土曜あさいちばん」の《著者に聞きたい 本のツボ》に『哲学は人生の役に立つのか』の…

『須賀敦子全集』年譜のこと1

この三日ほど、月が夜半に天頂あたりにやって来て照らしている。外に出て、月明かりに手をかざすと、影ができるのだった。 今夜は満月で南西に傾きかけている頃に、外へ出て月を眺める。 南東にオリオン座が見える。冬のダイヤモンドと呼んでいる大きな六角…

「新・話の泉」に大笑い

夜、ラジオのスイッチを入れるとNHKの番組「新・話の泉」が始まったところだった。 立川談志、山藤章二、嵐山光三郎、毒蝮三太夫、中村メイコの出演で、司会は渡邊あゆみアナウンサーである。 「皆さん思い浮かべてください。二字熟語の出家と家出、このよう…

ナポリ行きの消息

七日は二十四節気のひとつ立冬で、時雨(しぐれ)模様であった。 晩秋から初冬にかけて降ったり止んだりする小雨。 蕪村の句に、「楠(くす)の根を静(しずか)にぬらす時雨哉」。 明和五年九月二七日の句である。 幸い今日は曇り空で、前から計画していた…

植草甚一の声

2008年8月8日に、生誕百年を迎えた植草甚一のアニバーサリー・ブック『植草甚一 ぼくたちの大好きなおじさん』(晶文社)の付属のCDを聴いた。二度、三度と何度も聴く。 ニューヨークへ日本のもの(本)を持っていって、売れるかどうか、その反応を確…

「変わるし」

夜、NHKテレビの音楽番組「SONGS」が矢野顕子の出演だった。聴きながら至福の時を過ごす。 矢野顕子とのトークに糸井重里が聞き手で出て、「21の子がこんな歌を歌って・・・。」と三橋美智也の「達者でナ」(1976)を振り返る。 一曲目は「春咲小紅」…

落穂拾ひ日あたる方へあゆみ行

夕方、南の空に三日月が、その右隣に木星が並んで輝いていた。高度は三十度ほどか。このように接近しているのは珍しい。 南西には金星が光っている。こちらは二十度ほどの高さだ。 街路樹のシラカシの木の下にドングリが散らばっている。 蕪村の句に、「落穂…

小崎泰博の『幻の10年』のこと

朝晩は肌寒い。もうすぐ立冬である。 夕暮れ時に公園の池に寄ると、睡蓮の花が開いていた。闇の中にひっそりと・・・。 蕪村の句に、「冬ちかし時雨(しぐれ)の雲もこゝよりぞ」。 スイレン科スイレン属の水生植物の総称。池・沼に生え、円形または卵形の基…