2006-11-01から1ヶ月間の記事一覧

鹿寒し角も身に添ふ枯木哉

街路樹のソメイヨシノの葉っぱが赤くなってすっかり散ってしまっていた。山茶花の花が咲いている。川を渡っている時に、岸辺に鳥の群れを見かけた。毎年やって来るカモかもしれないね。遠くなので種類は見分けられない。大きさから、この鳥たちはヒドリガモ…

折口信夫ー未来で待つ人

日が暮れると南の空に月が昇っていた。ちょうど上弦の月であった。 NHK教育テレビの「知るを楽しむ 私のこだわり人物伝」で「折口信夫ー古代から来た未来人」の第四回の放送を観た。最終回で「未来で待つ人」というタイトルで奈良県の當麻寺(たいまでら)か…

紅葉狩りと饅頭

この週末が最後の見頃であろうと紅葉狩りに出かけた。フェリー乗り場は行列が出来るほど混んでいた。団体客の列を横に見ながら桟橋を渡る。船内は満席で、上の甲板に上がって風に吹かれながら宮島へ渡った。 参道は初詣のように混んでいた。紅葉谷公園の入り…

四十年ぶりの武道館

山茶花(さざんか)の花のつぼみが、ほんのり紅色になっている。 《「さんさか」の音変化》ツバキ科の常緑小高木。九州・四国の山地に自生。葉は楕円形で両端がとがる。晩秋のころ白い花をつけ、散るときは花びらがばらばらに落ちる。種子から油をとり、材で…

イスタンブールの熊

終日、小雨が降り続く。晴れたら紅葉狩りに出かけよう。山茶花(さざんか)の木に、一つ二つと紅い花が咲き始めていた。まだ余り目立たないが、つぼみが木のあちこちに見え隠れしている。蕪村の句に、 山茶花の木間(このま)見せけり後の月 紅葉見や用意か…

折口信夫ー芸能史という宝物庫

二十二日は、二十四節気の一つ小雪である。昨夜の夜半に空を眺めると、新月であるからか、天の川の星が明るく感じられた。天頂付近は星が密集しているかのようだった。 昨夜のNHK教育テレビ「私のこだわり人物伝 折口信夫ー古代から来た未来人」の第三回、《…

北斎の絵の種明かし

川を渡っていると橋の中ほどで上空、十五メートルのところを、白いカモメが左手から右手へ飛び越えて行った。力強く羽を動かしながら、あっという間に小さくなっていった。速い。 昨夜のNHK教育テレビの「ギョッとする江戸の絵画」は、第七回「天才は爆発す…

猛獣戯画〜長沢蘆雪

通りの街路樹が紅葉している。ソメイヨシノの桜の葉が風に吹かれて散り始めていた。青空を背景にしてイチョウの黄色が鮮やかである。 先週の夜、眠ってしまって見逃していたNHK教育テレビの『知るを楽しむ この人この世界―辻惟雄』の「ギョッとする江戸の絵…

浦上玉堂の魅力

一日中、時雨(しぐれ)模様だった。肌寒い。ぶるぶる。こういう時は、蕪村のこの句は、どうだろうか。「禅林の廊下うれしきしぐれ哉」。もう一つ、「古傘の婆娑(ばさ)と月夜の時雨哉」。 教育テレビの「新日曜美術館」は浦上玉堂をめぐってだった。今の岡…

風が吹けば・・・ブルーノ・ムナーリのこと

朝、「ウェークアップ! ぷらす」というテレビ番組で、映画『硫黄島からの手紙』の栗林忠道中将役の渡辺謙さんが出演していた。この映画をめぐっての経緯や思いなどが語られていて、興味深く聴いた。 書店でもらったリトルマガジン『経Kei』11月号を読んだ…

東京のカフェハウス

公園のコナラの木の周辺に、木の実が散らばっている。根元の部分は降り積もっているようだ。ドングリである。 クヌギ・カシワ・コナラ・カシなどのブナ科植物の実。球形や卵型で堅く、下方を殻斗(かくと)が包む。 『大辞泉』 拾ってドングリを握ると、つる…

クリント・イーストウッド監督に聞く

川を渡っていると、竹の篊(ひび)に鳥が止まっていた。アオサギだ。まだ、渡り鳥は見かけないが、冬鳥がやって来るのは、もうすぐだろう。 夜、NHKテレビの「クローズアップ現代」で、《76歳・映画にかける〜クリント・イーストウッド監督に聞く》という…

吉本隆明の『生涯現役』

朝晩は寒くなった。通りの街路樹や公園の木も紅葉がすすんでいる。カエデとイチョウが、取り分け目に鮮やかだ。青空を背景にして見事である。 コナラの木の周辺にドングリが落ちて敷きつめられたようになっていた。歩道の部分には踏まれてつぶれたドングリが…

折口信夫―「まれびと」の発見

NHK教育テレビの「知るを楽しむ 私のこだわり人物伝 折口信夫―古代から来た未来人」の第二回、〈「まれびと」の発見〉を観た。 三重県の大王崎にある灯台から遥か彼方まで広がる海が見える。その灯台のそばから中沢新一が、折口の「まれびと」の発見をめぐっ…

ギョッとする江戸の絵画〜伊藤若冲

NHKの「知るを楽しむ この人この世界」は辻惟雄さんで、「ギョッとする江戸の絵画」の第五回《絵にしか描けない美しさ〜伊藤若冲》を観た。先週、うっかり見逃していたので、再放送で早朝に辻惟雄(つじのぶお)さんの名調子を聴く。 冒頭、アメリカのロサン…

ジィップの本『マドゥモァゼル・ルウルウ』

昨日の夕方、道端の電柱でピチピチピチ・・・ピチピチピチと音がするので仰向けば、電線に鳥が群れていた。晴れた空を背景にして影絵のように見えるムクドリであった。 『サンデー毎日』の「満月雑記帳」で、クリント・イーストウッドが監督した映画『父親た…

折口信夫ー古代から来た未来人

一昨日から急に寒くなる。そういえば、七日は立冬であった。暦の上で冬が始まる日だそうだ。朝晩はぶるぶる、冷え込むね。この寒さで初めて暖房器具を使い始めた。ということは、今年の秋はずいぶん暖かかったんだね。葉牡丹の苗を見てみた。うーむ。しっか…

原田治の『ぼくの美術帖』のこと

夕方、東の空に月が昇っていた。丸く大きく見える満月だ。うーん。今日は満月雑記帳だ! 今朝の朝日新聞の読書欄の「たいせつな本 my classics」で、中野翠が原田治の『ぼくの美術帖』*1を挙げている。中野さんが、《出版不況と言われる中で、今年の春、うれ…

伊藤逸平の雑誌『VAN』とカフェ「コロンバン」

多田道太郎の『物くさ太郎の空想力』を読んでいると、「情報型少年」で森本哲郎さんの太平洋戦争末期の硫黄島がおちた頃のエピソードが出て来る。 『芸術新潮』2006年10月号で、グスタフ・クリムトの特集があった。その関連でウィーンという都市の歴史…

情報型少年と新聞型少年

多田道太郎の『物くさ太郎の空想力』(角川文庫)を読むと、「情報型少年」という文で、多田さんが鶴見俊輔さんから贈ってもらった『対談集・同時代』という本をめぐって、ちょっとした鶴見俊輔論を展開していて面白かった。 その面白かったという文章は、『…

長新太とスティーヴンソンの話

『飛ぶ教室』(光村図書)2006年秋号は、「ほぼまるごと一冊長新太」特集号で、昨年亡くなられた長新太さんをめぐっての対談やエッセイを読んだ。 「長い新しい太い線は終わることがない」という荒井良二といしいしんじの対談。それと、長新太との長い付…

クリムトとウィーン

川を渡っていると、川岸の岩場に大きな白い鳥がいた。大きさがアオサギにそっくりである。しかし、くちばしが長く黄色だ。頭部に色の付いた冠羽が見られない。調べてみると、ダイサギらしい。 サギ科の鳥。全長八九センチくらいで全身白色。水辺でみられる。…