2008-10-01から1ヶ月間の記事一覧

エリック・ロメール監督の『三重スパイ』

エリック・ロメール監督の映画『三重スパイ』(2003年、フランス、115分、カラー)を観る。 日仏交流150周年記念「フランス映画の秘宝」と題して、いずれも日本未公開作だ。見る機会のなかったフランス映画の世界をスクリーンで堪能できたのはよか…

サッシャ・ギトリ監督の『あなたの目になりたい』

日仏交流150周年記念、映画祭「フランス映画の秘宝」を映像文化ライブラリーで開催し上映している。 サッシャ・ギトリ監督の『あなたの目になりたい』(1943年、フランス、90分、白黒)を観る。 映画は冒頭、パリのエッフェル塔が見え、二人の若い…

1.3ミリの出番

文具店で見つけた線幅1.3ミリの太軸シャープペンシルを購入。 老舗文具店が新築したビルの三階に店舗を移した。 エスカレーターで上がる途中の一階と二階はアディダスの店舗。 三階の同じフロアーに老舗陶器店も移っている。 ステッドラーのスベリ止め加…

柿の葉の遠くちり来ぬそば畠

園芸店で冬野菜の白菜の苗を買う。 十月二十三日は、二十四節気で霜降(そうこう)だった。まだ暖かいが、もうすぐ立冬である。 通りすがりの畑に柿が実って色付いていた。うーむ。美味しそうだ。 他に、無花果(イチジク)の木にまだ実が生(な)っている。…

ジャック・ドゥミ監督の『天使の入江』

ジャック・ドゥミ監督の映画『天使の入江』(1962年、フランス、82分、白黒)を観る。 海岸に沿った道を女が一人歩いて来るシーンから始まる。右手に海が見える。湾になっている海岸だ。クルマからの移動撮影で、歩いている女はだんだん小さくなって見…

ロベール・ブレッソン監督の『罪の天使たち』

10月24日から31日まで、日仏交流150周年記念で、映画祭「フランス映画の秘宝」を映像文化ライブラリーで開催している。日本未公開の作品を中心に5本上映される。 『最後の切り札』ジャック・ベッケル監督(1942年、フランス、105分、白黒)…

冬野菜の苗

園芸店で冬野菜の苗を買う。高菜、茎ブロッコリー(店での表示は棒ブロッコリー)、パセリの苗。 蕪村の句に、「茸狩(たけから)ん似雲(じうん)が鍋の煮(にゆ)るうち」。*1 光田和伸著『恋の隠し方』(青草書房)、副題が《兼好と「徒然草」》で、本文…

季刊「湯川」と岡田露愁の木版画集『魔笛』のこと

「本はねころんで」の10月18日に、1980年11月刊行の季刊「湯川」No.7について詳しく書かれているので、興味深く読みました。 岡田露愁の木版画集『魔笛』を、ある画廊の個展で見たときに、その画廊主がタトウから出して見せてくれた、と思い込んで…

菊花祭の舞楽

厳島神社の年中行事にある祭典で、舞楽を毎年楽しみにしている。 春は四月十五日の桃花祭、秋は十月十五日の菊花祭にある舞楽である。 夕方、夕日が沈んで、だんだんと夜になりつつある時間に大野瀬戸をフェリーで渡る。 西の夕空は晴れ渡っていて、南に木星…

「新・話の泉」を聴く

夜、ラジオのスイッチを入れると、NHKラジオの番組で「新・話の泉」が始まっていた。 鯨の話をしている途中から聴く。 江戸時代の根付だとか、三味線のバチだとか鯨ですよね。 鯨は何種類あると思いますか? 83種類いますよ。 鯨の話をしているのは鯨博士…

「読書で豊かに」を聴く

夕方の澄んだ晴れた東の空に、月が昇っている。十三夜の月かな。とても美しい月である。 蕪村の句に、「五六升(しょう)芋(いも)煮る坊の月見かな」。 NHKラジオ深夜便の今月(10月)の「読書で豊かに」は担当が明石勇アナウンサーで、ゲストが植島啓司…

ル・クレジオの思い出

ル・クレジオがノーベル文学賞を受賞というので、ル・クレジオの思い出をひとつ。 金井美恵子の小説に『岸辺のない海』という作品があるのだが、この小説を読んだときにル・クレジオの初期の作品を連想したのだった。それと、主人公が、稲垣足穂の『弥勒』の…

クォーク談議

街路樹のコナラの木の下にドングリが散っていた。サイズは長さ2センチ、幅が1センチ。 ノーベル賞受賞ということで、南部陽一郎とH・D・ポリツァーの対談『素粒子の宴』(工作舎)を久しぶりに、再読する。表紙が蛍光インクで印刷されているので、本の背に…

人は何に化けるかもしらじ秋のくれ

昨日の夕方、公園の池に寄る。ハスの葉がすっかり枯れていた。 静かな水面から顔を出しているスイレンのつぼみの色が目に映った。 他には池の周辺に小さな蟹が這っているのが見えるのみである。 蕪村の句に、「人は何(なに)に化(ばけ)けるかもしらじ秋の…

ヤン・シュヴァンクマイエルと杉浦明平

チェコのアニメーション作家ヤン・シュヴァンクマイエルの作品を見た中では、『レオナルドの日記』(1972年、11分、カラー)が気に入った。作品は、レオナルド・ダ・ヴィンの描いたデッサンが息を吹き込まれたかのように動きだす。 レオナルド・ダ・ヴ…

丸盆の椎にむかしの音聞かむ

秋晴れで、北からの風が吹く。街路樹の下の土にドングリが落ちていた。コナラの実だろうか。 蕪村の句に、「椎(しい)拾ふ横河(よかは)の児(ちご)のいとま哉」。脚注に、横河―比叡山三塔の一つ。 もう一句、「丸盆の椎にむかしの音聞かむ」。これは安永…

井上洋介の『ボッボッボッ』

今日は井上洋介の絵本『ボッボッボッ』(1996年、「こどものとも」485号、福音館書店)を読みました。 おかあさんも、おとうさんも、おじいさんも、おばあさんも、おにいちゃんも、おねえちゃんも、くちから、ボッボッ。 それで ぼくのうち ひふき か…