2020-01-01から1ヶ月間の記事一覧

寒梅に蒔絵師の根(こん)つづくかな

晴れて暖かい。最高気温12℃。まだつぼみが多いのだが、紅梅や白梅が咲きはじめていて、花からの良い香りが漂って来る。 「寒梅に蒔絵師の根(こん)つづくかな」 「梅寒し研げば現る金蒔絵」 松本たかしの昭和十九年(1944年)の俳句で、「上村占魚に…

PR誌の本の広告から

出版社のPR誌の「一冊の本」2月号に、池澤夏樹の新刊の広告が掲載されていた。 『いつだって読むのは目の前の一冊なのだ』という本の広告である。 読書人必携の書評集成という。 《辣腕の書評家にして口達者な本のセールスマンが広大な読書の世界へ分け入り…

くぐり入り梅の枝垂の中に在り

梅が咲きはじめた。近くへ寄り眺めると花の香りがほのかに漂っている。良い香りだ。 梅の花へカメラを向ける人々の姿が花越しに見え隠れする。 「紅梅の下紅梅の鉢を置く」 「歩みよりくぐり入りけり枝垂梅」 「くぐり入り梅の枝垂の中に在り」 松本たかしの…

水仙や古鏡の如く花をかかぐ

暖冬がつづいている。水仙(スイセン)の花が見頃を迎えています。 ヒガンバナ科の多年草。早春に、鱗茎(りんけい) から一本の花茎を出し、白や黄色で中央に副花冠をもつ花を横向きにつける。葉は根生し、平たい線形。耐寒性で栽培に適し、観賞用とする。…

回顧の人、山田稔の原点

青空を背にしてハクモクレン(白木蓮)のつぼみが膨らんでいる。 先日、図書館で図書新聞を見た。1月11日号(3430号)である。 「トークイベント 山田稔著『門司の幼少時代』(ぽかん編集室)をめぐって」というタイトルで一面から三面まで掲載されて…

シャンパン

昨年の新刊で、池内紀著『ことば事始め』(亜紀書房)を年末から正月にかけて読んでいました。もう一冊が編集グループSUREの『海老坂武のかんたんフランス料理』でして著者の海老坂さんのフランス料理や草野球チームの話が興味深かったです。サルトルの『家…

特集「南蛮阿房列車」から

大晦日の31日から年を越し、正月の3日まで四夜連続で、NHKのラジオ番組がありました。関口知宏の朗読で阿川弘之の鉄道紀行文を聴く。 特集「南蛮阿房列車」<全4回> 31日、「欧州畸人特急」、「マダガスカル阿房列車」。 1日、「元祖スコットランド…

生誕110年 町田康と読む太宰治

2日、午後のNHKラジオの番組で「文化講演会・セレクション」を聴いておりました。昨年の10月20日に放送された講演の再放送になります。 作家の町田康の語る太宰治を読み解く講演でした。太宰治の作品を読み解く町田康の文学談義を面白く聴きました。 参…

大幅の楷書に浮ぶ寒牡丹

ボタン(牡丹)の花が満開で見頃を迎えています。寒牡丹は白、赤、ピンク色の大輪の花で華やかです。 新年、明けましておめでとうございます。 「初富士の抱擁したる小漁村」 「ややねびし人の春著(はるぎ)の濃紫」 「大幅の楷書に浮ぶ寒牡丹」 松本たかし…